スマホやデスクワークによって、前にかがみこむ姿勢で過ごす人が増えています。この影響で、知らず知らずの巻き肩になっているかもしれません。
本記事を読むことで巻き肩のデメリットや、巻き肩の改善ポイントについて理解が深まります。最後に巻き肩改善に効果的なストレッチ&筋トレメニューをご紹介していますので、早速今日から取り組んでみてください。
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巻き肩とは、肩が前に突き出した状態を指します。横から見ると鎖骨のラインより肩が前に出ている場合が多いです。デスクワークやスマホを長時間操作しているうちに、無意識のうちに肩がすくみ、前方に引っ張られてしまうのが主な原因といわれます。
猫背は背骨全体が丸くなっている姿勢を指すことが多いですが、巻き肩は肩そのものが前に巻き込んでいる状態を指します。猫背と巻き肩は併発しやすく、どちらも放っておくと体の不調につながりやすいので、早めに対策することが大切です。
次に、巻き肩の主な原因を4つ解説します。
最も多い原因として挙げられるのが、長時間のデスクワークやスマホ操作です。
仕事や家事、趣味の時間も含めて、パソコンやスマホを見つめる時間が圧倒的に増えています。画面を見る時は自然と首や肩が前に出やすくなり、さらに両腕を前に伸ばすため、胸の筋肉が縮まったまま固まりやすくなります。結果として肩甲骨が外側に広がり、肩が巻き込む姿勢が定着しやすくなるのです。
肩甲骨を正しい位置に保ち、姿勢を支えているのは背中や肩甲骨周りの筋肉です。具体的には広背筋や僧帽筋、菱形筋などが挙げられます。運動不足や加齢によってこれらの筋力が低下すると、肩甲骨を引き寄せる力が弱くなり、自然と肩が前に出やすくなります。
肩甲骨は背中側に左右一対で存在し、腕や肩の動きをサポートする大切な骨です。これが外側や上方にずれたままだと、正しい姿勢を保てなくなります。
普段の座り姿勢や歩き方の癖、または胸の筋肉の硬さによって肩甲骨の位置がずれ、結果的に巻き肩を引き起こす原因となることがあります。自分自身では気づきにくい位置のずれなので、鏡を見たり人に見てもらったりしながらチェックしてみましょう。
デスクワークやスマホ操作をしているとき、腕を前に伸ばした状態が続きます。このとき、胸の大胸筋や小胸筋が収縮したまま固まりやすくなるといわれています。胸の筋肉が固まってしまうと、肩が前に引っ張られ、肩甲骨を後ろに引き寄せるのが難しくなります。また、呼吸が浅くなる原因にもなるので注意が必要です。
巻き肩は、見た目だけではなく日常生活においてもさまざまなデメリットを引き起こします。
本章で主なデメリットを4つ紹介します。
巻き肩が定着すると、肩や首周りの筋肉に常に余計な負担がかかります。肩甲骨が外に開き、背中が丸まった状態でいると、僧帽筋や首の筋肉が引っ張られ、肩こりや首こりが起こりやすい状態になるのです。悪化すると頭痛や疲労感が増すおそれがあります。
巻き肩は猫背を伴うケースが多く、姿勢全体を崩しやすい要因になります。前かがみで背骨が丸くなった状態では、腰や膝など他の関節にも負担がかかりやすくなり、体全体のバランスが崩れてしまいます。見た目にも悪印象を及ぼし、せっかくおしゃれをしても姿勢の悪さで魅力が半減してしまうかもしれません。
巻き肩の状態では胸が閉じ気味になり、肺を大きく広げるスペースが限られやすくなります。結果として呼吸が浅くなり、酸素が十分に取り込めないまま疲れやすい体になってしまうことがあるのです。疲れを感じやすかったり、集中力が落ちたりする原因にもなるため、日常生活のパフォーマンスを下げてしまいます。
女性にとって気になるポイントとして、バストラインへの影響も挙げられます。巻き肩で胸が内側に巻き込まれると、デコルテまわりが縮こまり、バストを正しい位置で支える筋肉も働きにくくなります。その結果、猫背と同時にバストが垂れたり、形が崩れて見えたりしやすくなるのです。美しいシルエットをキープするためにも、巻き肩の改善は大切なポイントといえます。
巻き肩を改善するには、原因を知りつつ、適切なストレッチや筋トレをバランスよく取り入れることが重要です。胸や肩甲骨周りの筋肉を伸ばし、鍛えることで姿勢を正しやすくなり、疲れにくい体づくりにもつながります。
胸の筋肉が硬く縮こまっていると、どうしても肩が前方に引っ張られがちです。そこで、まずは硬直した胸や背中の筋肉をほぐし、伸ばすストレッチを心がけましょう。特に大胸筋や小胸筋、菱形筋、広背筋にアプローチするストレッチを選ぶと効果的です。
ストレッチを行う際は勢いをつけず、ゆっくり呼吸しながらじわっと筋肉を伸ばすように行います。痛みが出るほど無理をせず、気持ち良さを感じる範囲にとどめておくことがポイントです。
ストレッチで柔軟性を高めたら、背中や肩甲骨周りの筋力を強化する筋トレにも取り組みましょう。僧帽筋や広背筋、菱形筋などの筋肉を意識的に使えるようになると、肩甲骨の位置が整いやすくなり、胸を開いた姿勢をキープしやすくなります。トレーニングとストレッチを併用することで、偏った筋肉の使い方を改善し、巻き肩の再発を予防できます。
ストレッチや筋トレをしても、普段の姿勢が崩れていては効果が半減してしまいます。デスクワーク中や家事の最中など、肩甲骨を少し寄せるイメージを常に持ち、こまめに姿勢をリセットするのが大切です。椅子に座るときはお尻を深く入れ、腰を立て、背筋をスッと伸ばす姿勢を心がけましょう。最初は疲れると感じるかもしれませんが、続けることで正しい姿勢が身につきやすくなります。
ここからは、寝ながらでもできる簡単ストレッチから、立ったまま行う方法、チューブやダンベル、ジムマシンを使った種目まで、巻き肩の改善に役立つメニューをご紹介します。トレーニング歴がない方でも無理なくスタートできるものばかりですので、体調に合わせて試してみてください。
まずはベッドや床に寝た状態で気軽に取り入れやすいストレッチとしてヨガでもおなじみのポーズ「コブラ」をご紹介します。
背中から胸の筋肉がほぐれることで、巻き肩対策に効果的です。
次に、デスクワークの休憩中やちょっとした空き時間にも行える簡単ストレッチをご紹介します。
壁や柱があれば、片手を当てて体を反対側へひねり、胸を伸ばす方法も効果的です。痛みを感じるほど強く引かず、気持ち良く伸ばせる範囲で行いましょう。
背中や肩甲骨周りを鍛えるには、チューブを使った「エクスターナルローテーション」が手軽でおすすめです。
慣れてきたら回数を増やしたり、強度の異なるチューブを用意して負荷を調整しましょう。
ダンベルを使った巻き肩改善トレーニングは、ダンベルプルオーバーがおすすめです。
重すぎるダンベルを使うとフォームが乱れて逆効果にもなりかねないので、軽めの重量で丁寧に動作するのがポイントです。
ジムで本格的に背中を鍛えるなら、ラットプルダウンやシーテッドプーリーローといったマシンを使った種目が効果的です。それぞれのやり方は下記記事で詳しく紹介していますので、チェックしてみてください。
ラットプルダウンはバーを上から引き下ろす際に肩甲骨を寄せる感覚をつかみやすく、ロープーリーは背中をまっすぐ保ちつつケーブルを引くことで僧帽筋や広背筋、菱形筋をバランスよく鍛えられます。
筋トレの注意点として、ショルダープレスなど前方に押し出す種目ばかり行うと胸や肩の前側が発達し巻き肩を悪化させる可能性がありますので、胸と背中の筋力バランスを意識しながらトレーニングを組み合わせると良いでしょう。
巻き肩は、日常生活での姿勢の癖や運動不足などが重なって起こりやすい現代病ともいえます。しかし、胸や背中の筋肉を伸ばすストレッチと、肩甲骨周りを意識して鍛える筋トレを継続すれば、確実に姿勢は改善できます。最初はすぐに元の姿勢に戻りがちでも、少しずつ意識を続けていくことで正しい姿勢が体に馴染むはずです。REAL WORKOUT(リアル ワークアウト)では、一人ひとりの体の状態を丁寧にカウンセリングした上で、最適なトレーニングメニューをご提案しています。マンツーマン指導で正しいフォームを習得しながら、健康的で美しい姿勢を手に入れましょう。