「筋肉痛の時は筋トレはやらない方が良いと聞いたけど、軽い筋肉痛なら問題ない?」
本記事では筋肉痛と筋トレの関係性について詳しく解説。後半には筋肉痛を早く治すポイントについてもご紹介!ぜひ最後までご覧ください。
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まずは筋肉痛が起こるメカニズムから解説します。
といっても実は筋肉痛のメカニズムは明確には解明されていないのですが、おおむね以下の3つの現象から起こると言われています。
筋肉痛は筋トレによって筋繊維が微小な損傷を受けることから始まります。筋肉痛になったことがある人は、久しぶりに運動したり、強い負荷をかけたときに起こるという体感があるのではないでしょうか。これは、通常の活動範囲を超える負荷や新しい動きによって筋肉がダメージを受け、それに適応しようとしている状態です。
筋肉が損傷されると炎症反応が始まります。
この際に体が「炎症性サイトカイン」と呼ばれる物質を放出し、損傷した箇所に免疫細胞が集まります。これが一時的な腫れや痛みを引き起こすため筋肉痛の原因とも考えられています。
ちなみに「年をとると筋肉痛がくるのが遅くなる」のは、この炎症性サイトカインの放出が遅くなることが原因と言われています。
「筋肉が疲労すると乳酸が溜まる」ということを聞いたことがあるかもしれません。かつては、乳酸が筋肉痛の原因とされることがありましたが、最近の研究では乳酸が直接的な原因ではないとされています。ただし、激しい運動によって生成された乳酸は一時的な疲労感を引き起こし、それが痛みの感覚に影響を与えるため、筋肉痛と感じる可能性があるとも言われています。
筋トレを始めたばかりだと、今まで経験したことがないレベルの筋肉痛になることもあるでしょう。痛みが数日続いていてまだ痛みが残っているけどまた筋トレをやっていいのかと気になる方もいると思います。逆に、慣れてくると筋肉痛が軽減してくる場合がありますが、筋肉痛がこなければ筋トレの効果がないということでしょうか?
この章では、筋トレと筋肉痛の関係性について解説します。
筋肉痛が発生している部位に対して筋トレは行っても良いのでしょうか?
結論からいうとNGです。筋肉痛が発生している部位に対しての筋トレは避けるべきです。なぜなら、損傷を受けた筋繊維はまだ修復途中であり、さらなる負荷をかけることで逆効果となる可能性があるからです。例えば、捻挫している足で運動をすると余計に悪化するのと同じように、筋肉痛を我慢して筋トレすることも回復を妨げると言われています。筋肉を無理に痛めつけることが筋トレではないということを心がけましょう。
筋肉痛は、筋肉が損傷しその修復が進む過程で発生します。筋トレによって引き起こされた微小な損傷に対する炎症反応や細胞の再生が進む中で痛みを感じるのです。ただし、痛みの度合いと修復はイコールではなく、部位によりますが筋肉は、筋トレ後24〜48時間以内で修復されて回復すると言われています。
筋肉の回復時間については下記記事で詳しく説明していますので、合わせてご覧ください。
筋肉痛の度合いは筋トレ経験値によっても異なります。上級者になると筋肉痛が来ないのでは?と思っている人がいるかもしれませんが、全くそんなことはありません。
トップレベルのボディビルダーでも筋肉痛が数日続くことはあります。むしろ上級者こそ高い強度での筋トレを行うため筋肉痛が来やすいとも言えます。
これまでの話をまとめると筋肉痛にならないと筋トレ効果がないように感じてしまいますよね。
でもご安心ください。筋肉痛は、筋トレ効果における複数ある評価指標の1つにしか過ぎないので、筋肉痛がなくても筋トレ効果はあります。
筋トレ効果については下記記事でも解説していますのでご覧ください。
筋肉痛にも痛みの度合いの差がありますが、少し動かすだけでも痛いときにはさすがにやめておこうと思う人がほとんどだと思います。一方で、痛みが軽くなったからやってもいいかなという人もいるかもしれません。ここからは、軽い筋肉痛の状態での筋トレについて解説します。
軽度の筋肉痛がある場合でも、その部位の筋トレは悪影響を及ぼす可能性があります。
筋肉がまだ修復途中であるため、無理な負荷や同じ部位への負担が痛みを増やし、損傷を悪化させたり、修復に余計な時間をかけてしまう恐れがあります。
特に初心者の場合はフォームが定まっていないことが多く、筋肉痛がある状態で筋トレは、痛みを避けてフォームが崩れてしまうリスクがあります。また、本人が筋肉痛だと感じていても実際には筋肉痛ではなく腱や関節を痛めている可能性もあります。
軽度でも痛みや違和感がある場合は割り切って回復を待つことをおすすめします。
筋トレのモチベーションが高いと、筋肉痛があっても「もっと筋トレしたい」「早く筋トレしたい」と思ってしまいますよね。仮に全身が筋肉痛であれば避けるべきですが、特定の箇所のみ筋肉痛が起きていることもあると思います。
そのような場合は、筋肉痛がある部位の筋トレは避け、代わりに筋肉痛のない異なる部位を鍛えると良いでしょう。異なる部位の筋トレをすることで、全体のバランスを保ちながら、筋肉痛の部位の回復も望めます。例えば、もし胸の筋肉痛があるなら、脚や背中を中心にトレーニングすることで、全身の筋肉を効果的に刺激できます。
この方法は分割法といって、多くの筋トレ中級者から上級者が取り入れている方法です。
月曜日は胸、火曜日は背中、水曜日は脚というように日によってトレーニングする日を分け、鍛えた部位を回復させている間に異なる部位を鍛えることで効率的なサイクルでトレーニングが可能となります。
筋トレをしたいのに筋肉痛がなかなか治らず、もどかしい思いをすることもあるでしょう。
無理は禁物ですが、筋肉痛を早く直して筋トレの頻度をあげることで成長を促していける面もあります。この章では筋肉痛を早く治すポイントを3つご紹介します。
トレーニングの前後にストレッチを行うと筋肉痛を緩和できると言われています。
トレーニング前のストレッチは、ウォーミングアップも兼ねた「動的ストレッチ」を行いましょう。動的ストレッチとは、通常の筋肉を伸ばすようなストレッチとは異なり、軽いジョギングやジャンプなどアクティブな動作を通して筋肉を温めたり関節の可動域を広げることが目的です。軽く汗ばんだり息があがったりする程度で、その日にトレーニングする部位に合わせて筋肉への血流を促すイメージで行いましょう。
筋トレ前は「静的ストレッチ」と呼ばれる柔軟体操のようなストレッチは避けましょう。筋肉が伸びてしまって筋トレ時の筋肉の出力を下げる可能性があります。
一方でトレーニング後のストレッチは静的ストレッチがおすすめです。リラックスして深く呼吸することを心がけ、トレーニングした筋肉を伸ばしたりほぐしながら緊張をほどいていきましょう。
マッサージガンを使って筋肉をほぐすことも、筋肉痛を和らげる効果が期待できます。
トレーニング前後のストレッチに関しては、こちらの記事もご覧ください。
学生の頃、体育の授業の最後に整理体操の時間があった人もいるのではないでしょうか。筆者も「足に筋肉痛があったけど、歩いていて気がついたら治っていた」という経験があります。
準備体操はウォーミングアップで、整理体操は運動後のクールダウンとともに疲労回復の効果が期待できます。
筋トレ後も、ジョギング・サイクリング・ウォーキングなど軽めの有酸素運動をすることで、血流を促進させ、乳酸や老廃物の排除につながります。また、筋肉に酸素と栄養を供給して代謝を活発化させることで、筋肉痛の緩和ができるといわれています。
また、お風呂やサウナもおすすめです。温かいお湯に浸かって血管が拡張し血流が良くなることで、筋肉に酸素や栄養が供給されます。サウナも同様に、体内の老廃物を排出し、筋肉の緊張を和らげてくれます。ただし、筋肉痛は筋肉が炎症を起こしている状態での熱すぎるお湯やサウナは炎症が悪化する可能性があるため避けたほうが良いでしょう。温浴の後に冷たいシャワーを浴びたり、サウナ後に水風呂に入るなどの温冷浴を行うと筋肉痛をより早く治す効果が期待できます。「サウナで整う」といわれますが、これは自律神経が整うことで、血液循環がよくなり疲労回復や安眠効果があると言われています。結果的に筋肉痛の回復も早めてくれるでしょう。
筋肉痛を早く治すためには「十分な休息」が非常に重要なポイントとなります。筋肉はトレーニング中に損傷し、休息中に修復・成長します。特に睡眠は十分に取るようにしましょう。深い眠りの段階で成長ホルモンが分泌されて筋肉の成長と修復を促進します。質の良い睡眠のために食事は就寝の3時間前には済ませ、日付が変わる前には就寝し、7~8時間の睡眠を確保するようにすることをおすすめします。
今回は、筋肉痛の時の筋トレと筋肉痛を早く治す方法についてでした。
筋肉は休んでいる時に成長するので、筋肉痛のときは決して無理をせずしっかり休み、フレッシュな状態で次の筋トレを行いましょう。
筋トレ後はストレッチや入浴で血行を促進させ、たっぷりと睡眠を取ってしっかり休息することが、筋肉痛を早く治す秘訣だと覚えてくださいね。
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