筋トレ時の呼吸はなぜ大事?効果を高める呼吸法を紹介

公開日:2024/08/04 更新日:2024/08/19

正しいフォームで筋トレを行っていても、呼吸の仕方が間違っていると思った効果が得られないことがあります。そこで本記事では、筋トレ時の呼吸の重要性や正しい呼吸法について詳しく解説。筋トレメニュー別の正しい呼吸法についても理解できますので、記事を読んでぜひ筋トレで活用してみてください。

筋トレと呼吸の関係性

筋トレを始めたばかりだと呼吸の重要性を見逃しがちです。しかし、適切な呼吸は筋トレの効果を大きく左右する重要な要素なのです。
本章では、筋トレと呼吸の深い関係性について詳しく解説していきます。

呼吸の仕組み

まず、呼吸の基本的な仕組みを理解しましょう。

呼吸は主に以下の3つのステップで行われます。

  1. 吸気
    横隔膜が収縮し、胸郭が広がることで肺に空気が取り込まれます。
  1. ガス交換
    肺胞で酸素と二酸化炭素の交換が行われます。
  1. 呼気
    横隔膜が弛緩し、胸郭が元の位置に戻ることで、二酸化炭素を含んだ空気が排出されます。

この過程は普段は無意識に行われていますが、運動中はより活発になり、意識的にコントロールすることが重要になります。

筋トレ時の呼吸の役割

筋トレ中の呼吸には、以下のような多くの重要な役割があります。

酸素供給

活動中の筋肉に十分な酸素を供給し、パフォーマンスを維持します。

二酸化炭素排出

代謝によって生じた二酸化炭素を効率的に排出し、疲労を軽減します。

体幹の安定

適切なタイミングでの呼吸は、体幹を安定させ、より効果的なトレーニングを可能にします。

集中力の向上

呼吸に意識を向けることで、動作への集中力が高まります。

呼吸を止めた場合の影響

筋トレ中に呼吸を止めると、体幹の安定性が高まることでより大きな力を発揮できる効果があります。一方で、呼吸を止めることは一時的な酸素不足をもたらしますので、必ずしもおすすめできることではありません。体力や運動経験を考慮した上で適切に判断しましょう。

呼吸を逆にした場合の影響

筋トレにおける「逆呼吸」とは、力む時に吸ってリラックスする時に吐くことを指します。力む時に吸うことで腹圧が抜け、体幹が不安定になりますので怪我のリスクが高まったり、正しいフォームを維持するのが難しくなる恐れがあります。
適切な呼吸は、単に酸素を取り入れるだけでなく、トレーニングの質と安全性を大きく向上させる重要な要素です。自分の経験レベルや体力に合わせて、最適な呼吸法を見つけていきましょう。
初心者の方は、まずは自然な呼吸を意識しながらトレーニングを行い、徐々に呼吸のコントロールを習得していくことをおすすめします。

筋トレ時に呼吸のタイミングを意識するメリット

筋トレ中に呼吸のタイミングを意識することは、単なる習慣以上の重要な意味があります。適切な呼吸は、トレーニングの質を大きく向上させる鍵となるのです。
本章では、筋トレ時に呼吸のタイミングを意識することで得られる主な3つのメリットについて詳しく解説していきます。

集中力の向上

呼吸を意識することは、心身の集中力を高める効果があります。例えば、呼吸に集中することで、余計な思考が減り、今この瞬間の動作に意識を向けやすくなります。また、適切な呼吸は、交感神経と副交感神経のバランスを整え、心理的ストレスを軽減します。結果として、より効果的なトレーニングが可能になり、短時間で高い成果を得られる可能性が高まるでしょう。

筋トレ効果の向上

呼吸のリズムに合わせて筋肉を収縮・弛緩させることで、筋肉への酸素供給を最適化し、より効果的に筋肉に刺激を与えることができます。また、効率的な呼吸は代謝を促進し、脂肪燃焼効果を高めるといわれています。これらの要因が相まって、同じ回数のトレーニングでもより高い効果が期待できるようになるでしょう。

フォームの安定

正しい呼吸は、体幹の筋肉を活性化し姿勢が安定することで正しいフォームが維持しやすくなります。その結果、怪我のリスク低下にもつながります。フォームが安定することで、より重いウェイトに挑戦できたり、より多くの回数をこなせたりと、トレーニングの質が向上するでしょう。

呼吸のタイミングを意識することは、初めは難しく感じるかもしれません。しかし、継続的な練習によって自然と身につき、トレーニング全体の質を大きく向上させる重要なスキルとなります。

正しい呼吸方法

筋トレ時の正しい呼吸は、パフォーマンスを最大化し、怪我のリスクを減らす重要な要素です。本章では、筋トレに適した呼吸法の種類と、その正しい実践方法について詳しく解説します。

筋トレはどっち?呼吸法の種類と仕方

筋トレ時の呼吸法には腹式呼吸と胸式呼吸の2種類があります。それぞれに特徴があり、状況に応じて使い分けることが重要です。

腹式呼吸

腹式呼吸は、横隔膜を主に使用する呼吸法で、筋トレ時の基本となる呼吸法です。

やり方
  1. 鼻から息をゆっくりと吸い込み、お腹を膨らませます。
  2. 口からゆっくりと息を吐き出し、お腹をへこませます。
メリット
  • より多くの酸素を取り込めるため、持久力が向上します。
  • 体幹の安定性が高まり、高重量を扱うトレーニングに適しています。
  • 自律神経を整える効果があり、ストレス軽減にも役立ちます。
適している運動

スクワット、デッドリフト、ベンチプレスなどの大きな動作を伴う種目

胸式呼吸

胸式呼吸は、主に胸郭を動かして行う呼吸法です。

やり方
  1. 鼻から息を吸い、胸を膨らませます。
  2. 口から息を吐き、胸を収縮させます。
メリット
  • 素早い呼吸が可能で、高強度の有酸素運動に適しています。
  • 上半身の筋肉を使うトレーニングで体の動きを妨げにくいです。
  • 胸郭の可動域を広げる効果があります。
適している運動

腕立て伏せ、チンニング、ランニングなどの上半身や全身を使う運動

【筋トレメニュー別】呼吸のタイミング

各筋トレメニューには、それぞれ適切な呼吸のタイミングがあります。
本章では、代表的な6つの筋トレメニューにおける正しい呼吸法を詳しく解説します。

プランク

プランクは体幹を鍛える代表的な種目です。

呼吸のタイミング

  • 姿勢を保持している間、一定のリズムで腹式呼吸を続けます。
  • 吸う=3カウント、吐く=3カウントのペースがおすすめです。

ポイント

  • 呼吸を止めずに、一定のリズムを保つことが重要です。
  • お腹を膨らませすぎると姿勢が崩れるので注意しましょう。

スクワット

下半身の代表的なトレーニングであるスクワットの呼吸法です。

呼吸のタイミング

  • 下降時(腰を落とす時):鼻から吸います。
  • 上昇時(立ち上がる時):口から吐きます。

ポイント

  • 腹圧を保ちながら呼吸することで、体幹の安定性を維持します。
  • 上昇時に強く息を吐くことで、より大きな力を発揮できます。

ベンチプレス

胸筋を鍛えるベンチプレスの呼吸法です。

呼吸のタイミング

  • バーを下ろす時:鼻から吸います。
  • バーを押し上げる時:口から吐きます。

ポイント

  • バーを押し上げる時に強く息を吐くことで、より大きな力を発揮できます。
  • 呼吸を止めすぎないよう注意し、安定したリズムを保ちましょう。

デッドリフト

背中全体を鍛えるデッドリフトの呼吸法です。

呼吸のタイミング

  • バーを持ち上げる前:大きく吸います。
  • バー持ち上げる時:息を止めるか、ゆっくりと吐きます。
  • トップポジションで:息を吐ききります。
  • バーを下ろす時:ゆっくりと吸います。

ポイント

  • 持ち上げる瞬間は一瞬息を止めて体幹を安定させる方法と、ゆっくりと吐く方法があります。
  • 自分に合った方法を選び、一貫性を持って行いましょう。

クランチ

腹筋を鍛えるクランチの呼吸法です。

呼吸のタイミング

  • 上体を起こす時:口から吐きます。
  • 元の位置に戻る時:鼻から吸います。

ポイント

  • 上体を起こす時に強く息を吐くことで、より腹筋に力が入ります。
  • 呼吸を止めすぎないよう注意し、連続的な動きを心がけましょう。

プッシュアップ(腕立て伏せ)

胸筋、三頭筋を鍛えるプッシュアップの呼吸法です。

呼吸のタイミング

  • 下降時(肘を曲げる時):鼻から吸います。
  • 上昇時(腕を伸ばす時):口から吐きます。

ポイント

  • 上昇時に強く息を吐くことで、より大きな力を発揮できます。
  • 呼吸のリズムを意識し、体幹を安定させながら行いましょう。

全体を通してのポイントは力むときの「ポジティブ動作」で腹圧をかけることです。

初めは意識的に呼吸を制御する必要がありますが、練習を重ねるうちに自然と適切な呼吸ができるようになります。自分の体と対話しながら、最適な呼吸法を見つけていきましょう。

正しい呼吸で筋トレ効果を高めよう!

本記事で筋トレ時の呼吸の重要性がよくわかったのではないでしょうか。正しい呼吸を意識することで、筋トレの効果を最大限に引き出すことができます。最初は難しく感じるかもしれませんが、練習を重ねるうちに自然と体得できるはずです。


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執筆監修者
株式会社WORKOUT
代表取締役 Co-founder & CEO
1985年5月24日生まれ、東京都港区出身。
10代で吉本RandC(現 吉本ミュージック)にて業務委託のアーティスト兼クリエイターとして活動。
その後、20代前半でインターネットマーケティング会社を起業。以降、出版広告会社の代表も務め、30歳の時に東証1部上場企業へ事業譲渡。
事業譲渡後は、株式会社アカツキの新規事業開発室(LX事業部)にジョインし、エンターテイメントxテックを中心とした新規事業、各IPの立ち上げに携わる。
2018年に同社創業、代表取締役に就任。
創業から僅か5年でパーソナルジム「REAL WORKOUT」を国内外に100店舗展開している。
執筆トレーナー
新中野店オーナートレーナー
出口 雄策

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自分自身も学生時代に肥満で悩んでおり、筋トレと食事管理で30kg痩せることができました。「頑張ってるけど痩せられない」「リバウンドしてしまった」「食べすぎてしまう」など

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■資格■
・JOPH ダイエットアドバイザー
・JCCA ベーシックインストラクター

出口雄策のインタビュー記事→

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