【初心者向け】ベンチプレスの正しいフォームとコツを徹底解説

公開日:2024/01/07 更新日:2024/01/22

上半身を鍛える筋トレといえば「ベンチプレス」。胸や腕など、たくましい上半身に向けて効率よく鍛えられるトレーニングメニューとして、初心者からベテランまで幅広い層に人気です。
しかし、ベンチプレスのような複数の関節を動かす種目はフォームの習得が難しく、初心者が1人で始めると間違えたフォームになりやすいので要注意です。
本記事では、初心者向けにベンチプレスの正しいフォームとコツを徹底解説。「男女別ベンチプレスの平均重量一覧」と「ベンチプレスMAX重量早見表(RM換算表)」も掲載しています。ぜひ最後までご覧ください。

ベンチプレスによる効果

まずはベンチプレスを行うことで期待できる効果について解説します。

見た目の変化

ベンチプレスは主に胸筋をターゲットにしたトレーニングであり、筋トレ初心者にとっても効果が出やすい種目です。
ベンチプレスを行うことで胸筋が発達し、より厚みのある胸部を作ることが可能です。胸筋以外にも、上腕三頭筋や肩の前部が鍛えられるため、全体的な上半身の強化とバランスの良い筋肉の成長が期待できます。
男性の場合は、胸筋が盛り上がっていることでスーツやTシャツを格好良く着こなすことが可能になりフィット感も向上します。
また、女性の場合は、大胸筋や三角筋、上腕三頭筋などの筋肉を鍛えられる事で、バストアップや二の腕の引き締め効果を期待できます。
ベンチプレスは男性・女性問わず、見た目を良くしたい人にとってはとっておきの種目と言えるでしょう。

自己肯定感の向上

ベンチプレスによるもう一つの大きな効果は「自己肯定感の向上」です。見た目がよくなることで自分のコンプレックスを減らすことができます。
また、目標重量を設定して達成することで満足感と達成感を味わえます。
筋トレを通じて自分をコントロールし、強化することができるという自己体験は、精神的な強さを養う助けとなるはずです。
このように、ベンチプレスは見た目だけでなくメンタルにも良い影響を及ぼし、日常生活においても自信を持って行動できるようになるでしょう。

ベンチプレスの正しいフォーム

ベンチプレスの効果を得るためには正しいフォームで行うことが不可欠です。筆者は初心者のときには自己流で行って肩を痛めた経験があります。
この章ではベンチプレスの正しいフォームと5つのポイントを解説します。

やり方

まずは基本的なやり方を解説します。

  1. ベンチに仰向けになり、肩幅よりも少し広めにバーベルを握ります。
  2. ラックからバーベルを持ち上げて、ゆっくりと胸のみぞおちあたりに下ろしていきます。
  3. バーが胸についたらまっすぐ持ち上げます。

ポイント

①肩甲骨を寄せる

ベンチプレスでは、背中を丸めずに肩甲骨を寄せて固定することが重要です。肩甲骨を寄せて胸を張って反らせることで、胸筋を最大限に伸ばし、筋肉への刺激を最大化します。

②肩を下げる

肩を下げることで、肩関節への負担を減らし、怪我を防ぎつつ胸筋にフォーカスしたトレーニングが可能になります。肩甲骨を寄せるだけではなく「寄せて下げる」ことがポイントです。解剖学的には肩甲骨の下方回旋(かほうかいせん)と言います。

③バーを下げる位置

バーを下げる位置は、胸の中央やや下のみぞおちあたりにするのが理想的です。これにより、胸筋全体に均等に負荷をかけることができます。脇を開きすぎず60度くらいにして下ろすと自然とみぞおちあたりに下ろすことができます。

④グリップを持つ手のひらの位置

グリップを持つ際は、手のひらをバーにしっかりと固定し、親指をバーの下に回し込むことでグリップの安定性を高めます。親指の付け根側に置くようにして、手首が寝ないように注意しましょう。

⑤骨盤の位置

ベンチプレス中、腰は自然なアーチを保ちます。これにより、腰への負担を減少させるとともに、胸筋への負荷を最大化することができます。骨盤前傾させてアーチを高くすると、高重量を扱いやすくなりますが刺激が胸の中部や下部に集中します。骨盤をやや後傾させてアーチを作らないようにすると、扱える重量は下がりますが胸全体に効きやすくなります。

男女別ベンチプレスの平均重量

次に、ベンチプレスの平均重量について見ていきましょう。
ベンチプレスの重量は、性別・体重・経験値によって全く変わってきます。
以下に、全米ストレングス&コンディショニング協会公認ExRx.net が公表している、18歳〜39歳男女別経験値別の平均重量一覧をご紹介します。
表の見方として、例えばベンチプレスが全く初心者で、体重60kgの男性の場合は「男性・60kg・初心者」のマスに表記されている「45.0kg」がベンチプレスを1回持ち上げられる平均重量になります。
ただし、この重量は個々の筋肉量などによって全く変わってきますので、あくまでも参考値と捉えてください。

18歳〜39歳男女別経験値別の1回あたり平均重量一覧

男性

体重初心者初級者中級者上級者アスリート世界記録
52kg37.550.060.082.5100.0199.0
56kg40.052.562.590.0110.0207.0
60kg45.057.570.095.0117.5211.0
67kg50.065.077.5107.5132.5229.0
75kg55.070.085.0115.0145.0245.0
82kg60.075.090.0125.0157.5253.0
90kg62.580.097.5132.5162.5277.0
100kg62.582.5102.5137.5172.5280.0
出典:https://exrx.net/Testing/WeightLifting/BenchStandardsKg

女性

体重初心者初級者中級者上級者アスリート世界記録
48kg25.032.537.545.057.590.0
52kg27.535.037.550.062.5107.0
56kg30.037.540.052.565.0120.0
60kg32.540.042.557.567.5122.0
67kg35.040.047.562.575.0124.0
75kg37.542.552.565.085.0128.0
82kg37.550.055.072.590.0133.0
90kg40.052.560.075.095.0137.0
出典:https://exrx.net/Testing/WeightLifting/BenchStandardsKg

ベンチプレスの回数

ベンチプレスの平均重量がわかったら、次は1セットあたり何回行えば良いのかが気になりますよね。
ベンチプレスの回数の目安は目的によって変わります。それぞれの目的別に説明しますので参考にしてください。

重量を上げたい

ベンチプレスで最大挙上重量(=その人が1回持ち挙げれられる最大の力)を上げることを目標とする場合、「高重量低回数」を使用することが推奨されています。自身の最大挙上可能重量の約70%〜85%で、1セットあたり1回〜5回位を目安に行うと良いでしょう。例えば、最大挙上可能重量が50kgの場合は35kg〜42.5kgの計算になります。ポイントとして、テンポよく爆発的に上げることを意識しましょう。このトレーニングスタイルは、速筋繊維を大きくして筋力の向上を促します。セット間インターバルは長めに2〜3分取り、筋肉が十分に回復することが重要です。

筋肥大させたい

筋肥大、つまり筋肉のサイズを大きくしたい場合には、「中重量中回数」で行うことが効果的です。具体的には、最大挙上可能重量の約60%〜75%で、1セットあたり8〜12回を目安に行います。筋肥大にはこの範囲が最適とされています。ポイントとして、テンポは2秒で挙げて3秒で下ろす位を意識しましょう。セット間インターバルは1〜2分とし、筋肉の疲労と成長を促します。

筋持久力をつけたい

筋持久力、つまり筋肉活動を維持する能力を高めたい場合は、より軽い重量で高い回数を目指すことが効果的です。
最大挙上可能重量の約40%〜60%で、1セットあたり20回程度で行います。このトレーニングは筋持久力を高めるだけでなく、脂肪の燃焼にも効果的です。インターバルは短く30秒から1分程度でも問題ありません。

ベンチプレスのMAX重量

ベンチプレスの練習を続けていると、少しずつ重量が上がっていくと思います。
最初は20kgのベンチプレス10回が重くても、続けていればいつの間にか30kg10回があたりまえにできるようになるものです。そうなると、ついつい「自分の今の最大挙上可能重量(MAX重量)はどの位だろう?」と気になってしまうはず。そんな時に便利なのが「ベンチプレス最大重量早見表(RM換算表)」です。RMとは「Repetition Maximum:レペティション・マキシマム」の頭文字をとったもので「最大往復回数」を指します。往復回数がわかると「重量×回数÷40+重量」という計算で最大挙上重量を算出できるのです。この計算式をもとにした早見表を使うことで、自分の最大挙上重量がひと目でわかりますので、ぜひ参考にしてみてください。ただし、この表は目安の数値を計算するものですので、あくまでも参考値と捉えてくださいね。

ベンチプレスMAX重量早見表(RM換算表)

重量2回3回4回5回6回7回8回9回10回
20.0kg21kg22kg 22kg 23kg 23kg 24kg 24kg 25kg 25kg
22.5kg24kg24kg25kg25kg26kg26kg27kg28kg28kg
25.0kg26kg 27kg 28kg 28kg 29kg 29kg 30kg 31kg 31kg
27.5kg29kg 30kg 30kg 31kg 32kg 32kg 33kg 34kg 34kg
30.0kg32kg 32kg 33kg 34kg 35kg 35kg 36kg 37kg 38kg
32.5kg34kg35kg36kg37kg37kg38kg39kg40kg41kg
35.0kg37kg38kg39kg39kg40kg41kg42kg43kg44kg
37.5kg39kg40kg41kg42kg43kg44kg45kg46kg47kg
40.0kg42kg43kg44kg45kg46kg47kg48kg49kg50kg
42.5kg45kg46kg47kg48kg49kg50kg51kg52kg53kg
45.0kg47kg48kg50kg51kg52kg53kg54kg55kg56kg
47.5kg50kg51kg52kg53kg55kg56kg57kg58kg59kg
50.0kg53kg54kg55kg56kg58kg59kg60kg61kg63kg
52.5kg55kg56kg 58kg59kg60kg62kg63kg64kg66kg
55.0kg58kg59kg61kg62kg63kg65kg66kg67kg69kg
57.5kg60kg62kg63kg65kg66kg68kg69kg70kg72kg
60.0kg63kg65kg66kg68kg69kg71kg72kg74kg75kg
62.5kg66kg67kg69kg70kg72kg73kg75kg77kg78kg
65.0kg68kg70kg72kg73kg75kg76kg78kg80kg81kg
67.5kg71kg73kg74kg76kg78kg79kg81kg83kg84kg
70.0kg74kg75kg77kg79kg81kg82kg84kg86kg88kg
72.5kg76kg78kg80kg82kg83kg85kg87kg89kg91kg
75.0kg79kg81kg83kg84kg86kg88kg90kg92kg94kg
77.5kg81kg83kg85kg87kg89kg91kg93kg95kg97kg
80.0kg84kg86kg88kg90kg92kg94kg96kg98kg100kg
82.5kg87kg89kg91kg93kg95kg97kg99kg101kg103kg
85.0kg89kg91kg94kg96kg98kg100kg102kg104kg106kg
87.5kg92kg94kg96kg98kg101kg103kg105kg107kg109kg
90.0kg95kg97kg99kg101kg104kg106kg108kg110kg113kg
92.5kg97kg99kg102kg104kg106kg109kg111kg113kg116kg
95.0kg100kg102kg105kg107kg109kg112kg114kg116kg 119kg
97.5kg102kg105kg107kg110kg112kg115kg117kg119kg122kg
100.0kg105kg108kg110kg113kg115kg118kg120kg123kg 125kg
102.5kg108kg110kg113kg115kg118kg120kg123kg126kg128kg
105.0kg110kg113kg116kg118kg121kg123kg126kg129kg131kg
107.5kg113kg116kg118kg 121kg124kg126kg129kg132kg134kg
110.0kg116kg118kg121kg124kg127kg129kg132kg135kg138kg
112.5kg118kg121kg124kg127kg129kg132kg135kg138kg141kg
115.0kg121kg124kg127kg129kg132kg135kg138kg141kg144kg
117.5kg123kg126kg129kg132kg135kg138kg141kg144kg147kg
120.0kg126kg129kg132kg135kg138kg141kg144kg147kg150kg

初心者にもおすすめ!ベンチプレスアレンジメニュー

一般的なベンチプレスは、床と平行なベンチを使用する「フラットバーベルベンチプレス」を指します。フラットバーベルベンチプレスは高重量を扱えて胸筋全体を鍛えられるメリットがある一方で、胸筋の上部への刺激がやや少なくなるデメリットがあります。そこで、この章ではそのデメリットを補えるベンチプレスのアレンジ種目を3つご紹介します。

インクラインベンチプレス

インクラインとは「傾斜」という意味で、体が真っ直ぐではなく頭を上にして斜めの体勢でベンチプレスを行う種目です。

鍛えられる部位

  • 胸筋上部
  • 肩前部
  • 上腕三頭筋

やり方

  • ベンチを15〜30度の角度に設定し、背中をベンチにしっかりと付けて座る
  • バーは胸の上部、鎖骨の近くに向けて下げて胸についたら挙げる

ポイント

  • 重量は通常のベンチプレスよりも軽く設定し、フォームを崩さないようにする
  • 肩に負荷が乗りすぎないように、脇は開きすぎず肩甲骨を寄せて下げる

デクラインベンチプレス

デクラインはインクラインとは逆に頭が下の体勢で行います。

鍛えられる部位

  • 胸筋下部
  • 上腕三頭筋

やり方

  • ベンチを逆傾斜(約15〜30度)に設定し、頭を低くして横たわる
  • バーは胸の下部に向けて下げ、胸についたら挙げる

ポイント

  • 胸筋の下部の筋肉をしっかり伸び縮みさせる
  • 肩がすくまないように気をつける

ワイドグリップベンチプレス

ワイドグリップベンチプレスは通常のベンチプレスよりバーを握る手幅を広くして行う種目です。通常のベンチプレスより負荷が高くなります。

鍛えられる部位

  • 胸筋外側
  • 胸筋中部下部

やり方

  • スタートポジションとフォームは通常のベンチプレスと同じ
  • バーを下げたときに肘より手が少し外側になる位置で握る

ポイント

  • 負荷が高くなるため重要は軽めにする
  • 肩に負担がかかりやすいためしっかり胸を張る

スミスマシンの活用

種目のアレンジと同様にスミスマシンを活用することもおすすめします。
スミスマシンには以下のようなメリットがあります。

  • フォームの維持
  • 鍛えたい筋肉への集中
  • 安全性の確保

スミスマシンはバーの軌道がガイドに沿って動くためフリーウェイトに比べてバランスが取りやすくなりフォームの維持に集中できます。例えば、ベンチプレスの場合、胸筋に対する刺激を最大限にするための位置や角度の調整が容易になります。また、負荷の分散が少ないため、狙った筋肉群に対して追い込みがかけやすく、より効果的なトレーニングが可能になるでしょう。さらにバーをフックに引っかけられるため不意にバーが落ちてくるリスクも軽減できます。

自己流はケガのもと!トレーナーの指導で正しいフォームを習得しよう!

今回はベンチプレスについての解説でした。ベンチプレスは主に大胸筋を鍛える種目ですが肩や上腕三頭筋も同時に鍛えられる非常に優秀な種目です。かっこいい上半身を作りたい男性には人気の種目ですね。ただし、複数の関節を同時に動かすコンパウンド種目でフォームが難しいという点にも注意が必要です。高重量が扱える一方で正しいフォームで行わないと効果が出にくくケガのリスクが高くなってしまいます。
もし自己流の間違った方法で続けてしまうと時間を無駄にしてしまう可能性もあるため、最短で効果を出したい方はプロの指導を受けることをおすすめします。


REAL WORKOUT(リアル ワークアウト)では、ベンチプレスのフォーム指導はもちろん、目的に応じたプログラム作りからアレンジ種目の指導まで可能です。筋肥大や体脂肪減少など、利用者個人個人の目的に応じて筋トレから食事指導までトータル的な指導を行っています。パーソナルトレーナーと一緒に理想の体脂肪率を目指していきましょう。全国100店舗以上に展開しており、初回60分の無料体験が可能ですのでぜひお近くの店舗までお問い合わせください。

執筆監修者
株式会社WORKOUT
代表取締役 Co-founder & CEO
1985年5月24日生まれ、東京都港区出身。
10代で吉本RandC(現 吉本ミュージック)にて業務委託のアーティスト兼クリエイターとして活動。
その後、20代前半でインターネットマーケティング会社を起業。以降、出版広告会社の代表も務め、30歳の時に東証1部上場企業へ事業譲渡。
事業譲渡後は、株式会社アカツキの新規事業開発室(LX事業部)にジョインし、エンターテイメントxテックを中心とした新規事業、各IPの立ち上げに携わる。
2018年に同社創業、代表取締役に就任。
創業から僅か5年でパーソナルジム「REAL WORKOUT」を国内外に100店舗展開している。
執筆トレーナー
新中野店オーナートレーナー
出口 雄策

■実績■
・トレーナー歴5年/トレーニング歴30年
・年間平均セッション数1,000を超える指導実績
・10kg以上のダイエット成功者を多数指導
・姿勢改善や体幹強化、パフォーマンスアップ

■メッセージ■
自分自身が30kgのダイエットに成功した経験があり、過度な食事制限ではなく無理のないリバウンドしにくいダイエット指導を行っております。
「痩せたい・姿勢を改善したい・筋肉をつけたい・特定の部位が気になる」など年齢や運動経験に応じたトレーニングを行っておりますので、ぜひお気軽に無料体験へお越し下さいませ。

■資格■
・JOPH ダイエットアドバイザー
・JCCA ベーシックインストラクター

出口雄策のインタビュー記事→