筋トレの追い込みは必要?不要?そもそも筋トレの追い込みはどうやって行えば良いの?
本記事では「筋トレの追い込み」に興味のある方に向けて、メリットやコツ、注意点まで徹底解説!ぜひ最後までご覧ください。
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筋トレを行う際に「追い込み」という言葉を聞いたことはありませんか?
筋トレの追い込みとは、1セットのなかで「もう限界!あと一回もできない!」という状態からさらになんらかの方法であと数回行い「限界を超える」ことです。限界を100とすると101まで引き出す状態です。
完全に追い込んで筋肉の力を完全に出し切る事を「オールアウト」と言います。これまでは(根性論な面もありますが)、筋肥大イコール追い込む筋トレと言われる事が多かったですが、近年は追い込みついて賛否両論あります。
まずは筋トレの追い込みについて解説していきます。
従来、筋肥大のためには追い込みが必要であると言われてきました。しかし近年では筋肥大のため重要なことは「総負荷量」であるというエビデンスも発表されています。(Baz-Valle et al. (2018) Total number of sets as a training volume quantification method for muscle hypertrophy: A systematic review.)
総負荷量とは、重量×回数×セット数で表すことができます。例えば10キロで10回3セット行うと、10×10×3で総負荷量は300となります。
筋肥大を目指す場合は、この総負荷量をより多く確保することが必要であるという調査結果もあるようです。
追い込みが必要だと言われても、その感覚は人それぞれです。ある人にとっては、重量を増やすことで追い込みを感じるかもしれません。でも、別の人は回数を増やさないと追い込みを感じない人もいるでしょう。
また、トレーニングの経験値によっても追い込みの線引きは異なります。上級者は長年のトレーニング経験によって、ターゲットの筋肉に対して的確に刺激を入れることが可能で、追い込む感覚をつかんでいますが、初心者の場合は追い込む以前に「筋肉に効いている感覚」を掴めていないことがあります。あくまでも筋トレによって筋肉に効かせた上で追い込むことが前提であるので、効いてないのに追い込んだ感覚は錯覚かもしれません。
さらに精神面の影響もあります。筋肉は限界を超えすぎると怪我のリスクが高くなるため、筋肉の限界より精神面の限界の方が低く「ストッパー」がかかるようになっています。上級者になるほど筋肉の限界とストッパーの差が少なくなっていきますが、初心者は精神面の限界値が低いため、実際には筋肉には余力があってもストッパーがかかるのが早いのです。
このように感覚や経験値によって追い込みの線引は異なるため、しっかり記録をつけて総負荷量が伸びているかどうかを判断していくことが大切です。
実際に追い込んだことがある人ならご存知かもしれませんが、追い込みが気持ち良いと感じる人は多いはずです。もちろん最後のギリギリの数レップは辛いでしょうが、全力を出し切る感覚は達成感や充実感を味わうことができます。そしてそれがモチベーションにもつながるのです。
追い込みは筋トレの醍醐味のひとつとも言えるでしょう。科学的なエビデンスもあり、追い込みの有無に関わらず筋トレをすると「幸せホルモン」と呼ばれるエンドルフィンが分泌されます。さらに短時間で高重量を使うとアドレナリンも分泌されます。
追い込みはどちらかというと満足感や達成感を得られるメリットが大きいかもしれませんが、筋肥大の面にも影響があります。実際にトップレベルのボディビルダーで「追い込むことが絶対に必要」と言う人もいます。
要は、総負荷量を伸ばせば追い込まなくてもいいというわけではなく、総負荷量も追い込みも両方大事なのです。
ここからは実践編として、追い込みテクニックを3つご紹介します。
ドロップセット法は、簡単にできる追い込み強化のための効果的なテクニックです。セットごとに重量を減らしていきます。
ベンチプレスでのドロップセット例を解説します。
通常のセットの場合は最初のセットが終わったらインターバルを取ってから同じ重量で2セット目に行きますが、ドロップセットはインターバルを挟まずに重量を減らしてすぐに2セット目に入るのがポイントです。下げる重量は前のセットの6割から7割程度がよいと言われています。最初が10キロとすると、2セット目は7キロ、3セット目は4キロというイメージです。
ジムではピンを差して重量設定をするマシンがやりやすいのでおすすめです。短時間で追い込めるというメリットもあります。
レストポーズ法は、セット内で短い休憩を取りつつ追い込んでいくテクニックです。これにより、追い込みと同時に総負荷量を加算させることが可能になります。
具体的な手順は以下の通りです。
種目によりますが、通常はインターバルを1分から2分ほど取るところをレストポーズ法では短いインターバルを挟んですぐに再開します。
インターバルは深呼吸を3回くらいが目安です。
ネガティブレップス法とは、動作の中でウエイトを下ろす(筋肉が伸びる)局面に焦点を当てて追い込むテクニックです。下ろす局面をネガティブ、上げる局面をポジティブと呼び、筋肥大にとってはネガティブの方が大切だと言われています。
具体的な手順は以下の通りです。
例えば懸垂でネガティブレップス法を取り入れる場合は以下の手順で行います。
ネガティブレップス法は種目によってやり方が様々です。アームカールなど片腕で行う種目は、もう片方の手で補助ができますが、一人ではできない種目はパーソナルトレーナーに補助をしてもらうとよいでしょう。
前章では実際にトレーニングする時の追い込みテクニックを紹介しました。
本章ではさらに追い込みを深めるためのコツを3つ解説していきます。
追い込む前には十分なウォーミングアップが必要不可欠です。高強度のトレーニングとなるため、ウォーミングアップが足りていないと追い込めなかったり怪我のリスクが上がったりすることもあります。筋肉や関節を温めて可動域も広げ、心拍数も少しあげておきましょう。
最初に動的ストレッチをやっておき、トレーニングでは軽いセットから始めて徐々に筋肉を慣らしていくことをおすすめします。
初心者が追い込む際には、プロのトレーナーと一緒に行うことをおすすめします。追い込みは身体的にも精神的にもハードで、前述したようなテクニックも必要とするため初心者には難易度が高く感じることもあるでしょう。
実際に追い込めているのか判断できないこともあると思います。また間違ったフォームでの追い込みは怪我のリスクが上がるため、正しいフォームでのトレーニングが重要です。
トレーナーにサポートをしてもらうことで、身体的・心理的安全性を確保しつつ行うことができるでしょう。
筋トレの追い込みを終えた後は筋肉が大きなダメージを受けるので、修復のために適切な栄養補給を行うことは非常に重要です。特に「ゴールデンタイム」と呼ばれるトレーニング後30分以内での栄養補給は必ず行うようにしましょう。
スピーディーな吸収が必要ですが、追い込んだあとは血流が筋肉に集中しており消化機能が低下しているためホエイプロテインなどのサプリメントを活用することもおすすめします。グリコーゲンを補充するために白米やうどんなど消化吸収の早い炭水化物も一緒に摂りましょう。筋肉の回復には十分な睡眠も重要です。
前述のように筋トレに慣れてくると、「毎回しっかい追い込まないと!」という強迫観念にとらわれてしまう人もいます。追い込むことも大切ですが、間違った方法や追い込みすぎるのは禁物です。
追い込みすぎに関しては以下の2点を注意しましょう。
筋トレの追い込みは、効果を高めるためには重要ですが、フォームが崩れてまでの追い込みは厳禁です。
上級者になると、チーティングと言われるあえて反動をつけて挙げるテクニックを使うことはありますが、初心者のうちは最後の1レップまでフォームを崩さずに行える範囲で追い込みましょう。正しいフォームでないと怪我のリスクが高まる上、追い込もうとして体勢が不安定になれば関節に負担がかかります。正しいフォームで追い込むことを意識しましょう。
追い込んだら十分な休息を取り、筋肉を回復させることを意識しましょう。筋肉痛が残っているような回復が追いついてない状態でまたさらに追い込むのは逆効果です。
筋肉の回復に必要な時間は部位によりますが、胸や背中や脚などの大きな筋肉なら72時間、腕なら48時間ほどかかると言われています。毎日同じ部位を追い込むことは避け、部位を分けてトレーニングルーティンを決めるようにしましょう。種目ごとの総負荷量が伸びているかを基準にすることをおすすめします。
今回は筋トレの追い込みについて解説しました。初心者から中級者レベルなら無理に追い込んだりしなくても、総負荷量が伸びていたら成長できていると言えます。
繰り返しになりますが、総負荷量を伸ばせば追い込まなくてもいいというわけではなく、追い込みも総負荷量も両方大事です。バランス良く筋トレに取り組みましょう。
REAL WORKOUT(リアル ワークアウト)ではトレーナーによる正しいフォームの指導、追い込む際のサポート、総負荷量のチェックもトレーナーと一緒にできます。
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