「毎日筋トレをしていてるのに思ったようには筋肉がつかない・・・」
運動の後に一杯だけ・・・とお酒を飲んでしまっていませんか?もしかすると、筋肉がつかない原因は「お酒」にあるかもしれません。
本記事では、筋肉とアルコールの関係性について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
筋トレを行った後の飲酒の影響は、初心者の多くが気になるテーマの一つですよね。特にお酒好きの人や仕事の付き合いなどでお酒を飲む機会を避けられない人にとっては、筋トレとお酒とのバランスが大きな関心事となるでしょう。
ただし、結論から言うと、筋トレ効果を最大化したいなら飲酒は避けた方が良いです。ある研究によれば、筋トレ後にアルコールを摂取することは、トレーニングの効果を最大で30%も低下させる可能性があることが示されています。また、他の研究でも、筋トレ後にアルコールを大量に摂取したグループは、摂取しなかったグループに比べて筋タンパク質の合成率が低下したことが報告されています。
筋肉とアルコールの関係性や、アルコールが筋肉に及ぼす影響やそのメカニズムに関する理解は、筋肥大やダイエット、健康など体の改善を目指す人々にとって重要です。
この章では筋肉とアルコールの関係やアルコールが筋肉に及ぼす影響について解説します。
アルコールが体に及ぼす影響は広範囲にわたりますが、特に筋トレを行う人々にとって大切な筋肉に及ぼす影響は深刻な問題となり得ます。
特に大きな影響になるポイントを4つ解説します。
食事などから摂取したタンパク質は、消化吸収後に筋肉に運ばれて筋タンパク質となり、筋肉の材料になります。アルコールを摂取すると、この筋タンパク質の合成が抑制されることが示されています。
筋タンパク質の合成は、筋肉を修復して強化するための重要なプロセスですが、アルコールが体内にある場合、本来タンパク質が筋肉の修復と強化に向けられるべきところが、代わりにアルコールの分解に消費されてしまうのです。これによって、筋肉の回復と成長が遅れる可能性があります。
アルコールは体内のホルモンバランスにも影響を及ぼす可能性があります。特に、筋肉の成長に重要な役割を果たすテストステロンのレベルが低下し、コルチゾールのようなストレスホルモンのレベルが上昇することがあります。テストステロンが低下すると筋肉の成長が抑制され、コルチゾールが増加すると筋肉の分解が促進されるため、アルコールによってせっかくの努力が妨げられる可能性があります。
良質な睡眠は筋肉の回復と成長に不可欠ですが、アルコールは睡眠の質を下げてしまうことがあります。寝酒として寝る前にアルコールを摂取すると、一時的には眠りにつきやすくなるかもしれませんが、数時間経過すると深い睡眠であるレム睡眠を減少させたり、トイレに起きて睡眠を中断させたりして睡眠時間を減少させます。質の良い深い睡眠をとることで成長ホルモンの分泌が増加し、筋肉の修復と成長が促進されます。アルコールは、睡眠の質の低下させ、筋肉の回復に悪影響を与える恐れがあるのです。
アルコールは栄養素の吸収と利用にも影響を及ぼすことがあります。特に、筋肉の修復と成長に必要なビタミンやミネラルの吸収を妨げると言われています。
また、アルコールは空腹感を促進させるため、ジャンクフードや栄養価の低い食品を摂取する可能性を高めることもあるでしょう。
アルコールには様々な種類があり、それぞれ異なるアルコール度数や成分を持っています。筋トレを行う人々にとって、飲むアルコールの種類が筋肉への影響にどのように関係するか理解することは重要です。
主に、アルコールは醸造酒と蒸留酒の2つの大きなカテゴリーに分けられます。
醸造酒は、糖分を含む原料(果物、穀物など)を発酵させて作られます。
ビール、ワイン、日本酒などが醸造酒に該当します。
醸造酒のアルコール度数は一般的に低めですが、糖分を多く含むため、カロリーが高くなる傾向があります。ビールは一般的にアルコール度数が4%~6%程度で、ホップや麦芽からの追加的な栄養素を含むことがあります。ワインはアルコール度数が10%~14%程度です。特に赤ワインには抗酸化物質が含まれていたり、最近では赤ワインのポリフェノールが筋肥大にプラスになるという研究結果も出てきているようです。とはいえ、糖質が多いので、摂取量を控えめにした方が良いでしょう。
蒸留酒は、発酵させた液体からアルコールを蒸留によって抽出し、濃縮させて作られます。
ウイスキー、乙類焼酎、ブランデー、ウォッカ、テキーラなどが蒸留酒に該当します。
蒸留酒は一般的にアルコール度数が高く(約40%~50%)、カロリーも醸造酒に比べて高い場合があるものの、糖分はほとんど含まれていません。糖質が少ないため、飲んでも血糖値が上がりにくく、脂肪がつきにくいと言われています。
蒸留酒をソーダ水などで薄めることによって、高いアルコール度数を低めに抑えながら低糖質であることから人気なのが、「ハイボール」や「焼酎ハイボール」です。
カロリーに関しては、ウイスキーはアルコール度数は約40%なのに対し、甲類焼酎は20〜25%であることから、焼酎ハイボールの方が低カロリーとなります。
筋トレ後にどうしてもお酒を飲まざるをえないシチュエーションもあるかもしれません。筋トレ後の飲酒の悪影響を最小限に抑えるためにはいくつかのポイントを意識する必要があります。
ここでは、筋トレ後の飲酒で注意すべき3つの重要なポイントについて詳しく解説します。
筋トレ直後の体は、「ゴールデンタイム」とも呼ばれ、筋肉の回復と成長に必要なプロセスが活発に行われています。したがって、ゴールデンタイムにアルコールを摂取すると、筋肉の回復と成長妨げられる可能性が高くなるのです。
アルコールの影響で、筋肉の回復や成長に必要な成長ホルモンの分泌を抑制されたり、利尿作用によって、水分とともに体内の重要なミネラルが失われやすくなります。その結果、筋肉痛の回復が遅れたり、次のトレーニングのパフォーマンスが低下する可能性があります。
そのため、筋トレ後は少なくとも2時間はお酒を避け、体に回復のための十分な時間を与えるようにしましょう。
前章で解説した通り、アルコールの種類によって筋肉への影響が異なります。
アルコール度数が高い蒸留酒は、ストレートだと少量でも体への影響が大きいため、ソーダ水などで薄める「ハイボール」や「焼酎ハイボール」を選びましょう。
醸造酒の場合、比較的アルコール度数も低いので、適量であれば筋肉への悪影響を最小限に抑えることができるものの、糖質が多いのでダイエットには不向きだと認識しておきましょう。
結論からいうと、筋トレ後の飲酒は避けるのが一番です。とはいえ、お酒が好きな人にとって禁酒は辛いと思いますので、飲み過ぎないように注意しましょう。最近では糖質ゼロや糖質オフのビールや、ノンアルコールや低アルコールの商品も充実していますので、これらも上手く活用すると良いかもしれません。
筋トレ後は水分を多めに摂取することが大切ですが、お酒を飲む時には特に意識してより多く摂取するように心がけましょう。筋トレ後は体で様々な反応が起きており、その際には十分な水分が必要ですが、アルコールは利尿作用を持つため、お酒を飲むと体内の水分が失われやすくなるのです。脱水状態は、筋肉の回復を遅らせるだけでなく、筋トレの効果を低下させる可能性があります。
お酒を飲む場合は、お酒を飲んだ量と同量の水を交互に飲むようにすることで、脱水や体内のアルコール濃度が高くなるのを防ぐことができます。
アルコールを摂取する際には、バランスの良い食事を摂ることも重要です。揚げ物など高カロリーなものは避けて、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、筋肉の回復に必要な栄養素をしっかりと摂取しましょう。枝豆、豆腐、脂身の少ない刺身、焼き魚、焼き鳥などがおすすめです。
お酒を飲んだ後に筋トレする人は少ないかもしれませんが、筋トレのパフォーマンスや体への影響を考えると、筋トレ後と同様に筋トレ前の飲酒も避けるべきです。
お酒を飲んだ後の運動効果と筋トレのリスクについて詳しく解説します。
アルコールは中枢神経系を抑制する作用があり、筋トレ前に摂取するとパフォーマンスに悪影響を与える可能性があります。例えば、アルコールによって反応が遅れ、筋トレ中の正確な動作や瞬発力が求められる場面でパフォーマンスが低下したり、フォームが崩れてしまう可能性があります。
さらに、アルコールは体内の水分バランスを乱し、筋肉のエネルギー源であるグリコーゲンの利用を妨げることがあるため、持久力が低下する可能性もあります。
筋トレ前の飲酒は、筋トレ中のリスクも高めることがあります。
まずはケガのリスクです。アルコールによる判断力やバランス感覚の低下は、重量を扱うトレーニング中に怪我をするリスクを高めます。
また、アルコールの利尿作用によって脱水症状を起こしやすくなるため、汗をたくさんかく夏場のトレーニングでは熱中症のリスクを高めます。
このように、筋トレ前の飲酒は、運動効果の低下や怪我のリスク増加など、様々なリスクを伴います。
アルコールの分解時間は、生ビール中ジョッキ1杯分で男性は約4時間、女性は約5時間かかると言われています。 2杯なら約8〜9時間、 3杯なら約12〜13時間はアルコールが残ることになり、体調や体質によっては、 さらに時間がかかります。ランチビールで1杯飲んで、ようやく夜に筋トレができるくらいの感覚が必要です。
今回は筋トレ前後のお酒についての解説でした。筋トレの効果を最大化するためには基本的にはお酒は控えたほうが良いでしょう。ただし、お酒好きの方や付き合いなどでまったく飲まずにいることも難しいかもしれないので、筋トレと飲酒の関係について理解し、筋トレと飲酒のバランスを上手に取っていきましょう。
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