筋トレ時や筋トレ後はたくさんの水分補給が必要だと言われますが、筋トレと水分にはどのような関係があるのでしょうか?
本記事では、筋トレと水分の関係性や水分不足が筋肉に与える影響について解説。トレーニング中の水分補給のポイントについても紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
Table of Contents
トレーニング効果を最大に引き出すには適切な水分管理が欠かせません。水分不足は筋力の低下やトレーニング効果の減少を招きます。本章ではまず、筋肉における水分の重要性について詳しく解説していきます。
私達の身体は約60%が水分でできていますが、そのうち筋肉は約75%が水分といわれています。これは体内の他の組織と比較しても特に高い割合です。
筋肉の水分は、筋細胞の中と細胞と細胞の間の両方に存在し、主にタンパク質やグリコーゲンと結合した状態で存在しています。特にグリコーゲンは、筋肉のエネルギー源として重要な役割を果たしますが、このグリコーゲン1グラムに対して約3グラムの水が結合するといわれています。
水分が筋肉に対して果たす主要な3つの役割をご紹介します。
筋肉は「水分の貯水池」とも呼ばれることもあるほど、多くの水分を含んでいます。水分は筋細胞内に蓄えられ、必要に応じて利用されます。特に、グリコーゲンと結合した水分は、トレーニング中のエネルギーを供給する役割を果たします。この水分保持能力により、筋肉は長時間のトレーニングでも持続的なパフォーマンスを発揮することができるのです。
また、水分が蓄えられることで、筋肉は適切な張りと弾力性を維持することができます。これは、トレーニング中の怪我の予防にも重要な要素となります。さらに、適切な水分量が保たれることで、筋肉内の電解質バランスも整い、より効果的な筋収縮が可能になります。
水分は筋肉の成長においても重要な役割を担っています。筋肉の成長に不可欠なタンパク質合成は、適切な水分環境があってこそ効率的に行われます。水分は、血液の主成分としてアミノ酸やその他の栄養素を筋細胞に届け、細胞内での化学反応を促進する環境を整えるのです。適切な水分レベルが維持されている状態では、トレーニング後のタンパク質合成が促進されます。反対に、軽度の脱水状態では、筋タンパク質の合成率が低下するといわれています。このため、トレーニング中だけでなく、日常的な水分補給も筋肉の成長には重要なのです。
トレーニング中、筋肉内では様々な代謝物が生成されます。特に、高強度のトレーニングでは乳酸などの老廃物が大量に発生し、これらが筋肉内に蓄積すると疲労の原因となります。水分は、この老廃物を効率的に排出する重要な役割を果たします。
適切な水分量が維持されることで、血液量も適切に保たれ、血流が促進されます。これにより、筋肉で生成された老廃物は効率的に運び出され、肝臓や腎臓などの排出器官に送られます。
上記のほか、水分は体温調節にも重要な役割を果たし、トレーニング中の体温上昇を抑制する効果もあります。
本章では、水分不足が筋肉に及ぼす具体的な影響について解説します。
筋肉の成長には、タンパク質合成が効率的に行われる環境が必要不可欠ですが、水分不足により細胞の容積が減少すると、タンパク質合成に影響を与える可能性があります。また、水分不足は栄養素の運搬効率を低下させ、筋タンパク質の合成に必要な材料の供給が滞る可能性もあります。
さらに、トレーニング中の水分不足は、トレーニングのパフォーマンスそのものを低下させます。これにより、筋肉に十分な刺激を与えることができず、結果として期待される筋肉の成長が得られにくくなる可能性があります。特に高強度のトレーニングでは、より水分補給が重要となります。
水分不足による筋力低下のメカニズムは主に2つあります。
水分不足により、筋細胞内のナトリウムやカリウムなどの電解質バランスが乱れると、筋収縮に必要な神経伝達が正常に機能しにくくなり、筋収縮力が低下します。
水分は筋肉のエネルギー源となるグリコーゲンと結合して貯蔵されます。そのため、水分が不足するとグリコーゲンの貯蔵量も減少するのです。これにより、持久力や瞬発力の低下を招きます。
水分不足は、トレーニング中のケガのリスクも高めます。まず、水分不足により筋肉の柔軟性が低下します。適切な水分量が保たれていないと筋肉が硬くなり、急な動きや負荷がかかった際に、筋断裂などの深刻なケガを引き起こすリスクが高まるのです。また、水分不足は関節の潤滑にも影響を与えます。関節液の量が減少することで、関節の摩擦が増えたり、動きがスムーズでなくなり、トレーニング時に関節を痛めるリスクが高まるのです。
水分は、トレーニングで生じた筋肉の微細な損傷を修復する過程で必要不可欠です。適切な水分量があってこそ、筋グリコーゲンの再合成や、修復に必要な栄養素の運搬、また、トレーニングで生じた乳酸などの老廃物が効果的に排出されるのです。水分が不足すると、この流れが遅くなり、結果として回復に要する時間が延長されます。
さらに、水分不足は炎症反応にも影響を与えることがあります。筋肉の炎症反応は傷ついた筋繊維を治す手助けをしますが、水分不足によりこの反応が低下します。その結果、過度な炎症が持続し、回復を遅らせる原因となるのです。
筋肉の機能を維持するためには適切な水分量が必要ですが、過度な水分摂取にも注意が必要です。 本章では、過剰な水分摂取がもたらすリスクについて解説します。
水分の取りすぎはむくみをもたらす原因となります。特に女性は、筋肉量が少なく、むくみが起こりやすい傾向にあるため注意が必要です。私たちの体内では、血液中のナトリウムやカリウムなどの電解質濃度が適切に保たれることで、細胞内外の水分バランスが維持されています。過度な水分摂取は、この電解質濃度を低下させ、細胞外に水分が溜め込まれることでむくみを招いてしまうのです。むくみ対策としては必要に応じて適切な電解質が含まれたドリンクを飲むと良いでしょう。
トレーニング中は汗をかくため、体内の塩分が汗と共に失われていきます。この状態で水だけを過剰に摂取すると、血液中の塩分濃度が低下して脱水状態に陥り、めまいや吐き気などの体調不良を引き起こす可能性があります。この対策もむくみ対策と同様に電解質が含まれたドリンクを飲むと良いでしょう。
本章では、トレーニング中の水分補給に関する具体的なポイントをご紹介します。
トレーニング中の適切な水分補給量は、個人の体格や運動強度、環境条件によって異なりますが、一般的な目安として1時間あたり500ml程度が推奨されています。ただし、これはあくまでも目安であり、実際の補給量は状況に応じて調整する必要があります。
季節による調整も重要なポイントです。夏季は汗をかく量が増えるため、水分補給量を増やす必要があります。一方、冬季は発汗量が少ないため、やや控えめの補給で十分です。
基本的な考え方としては、喉が渇く前にこまめに補給することを心がけると良いでしょう。
水の利点は、余分なカロリーや添加物を含まないため、体への負担が少ないことです。また、胃への負担も少ないため、トレーニング中でも飲みやすいという特徴があります。ただし、長時間のトレーニングや高強度の運動の場合は、水だけでなく電解質の補給も考慮する必要があります。
BCAA(分岐鎖アミノ酸)を含む飲料は、筋肉の保護と回復を促進する効果があるとされています。特に、トレーニング中の筋タンパク質の分解を抑制し、トレーニング後の回復を早める効果が期待できます。BCAAは主にロイシン、イソロイシン、バリンという3つのアミノ酸で構成されており、特にロイシンには筋タンパク質合成を促進する効果があることが研究で示されています。高強度のトレーニングや、長時間のトレーニングで取り入れると良いでしょう。
ポカリスエットやアクエリアスなどのハイポトニック飲料は、血液よりも浸透圧が低く設計されているため、水分の吸収が速いという特徴があります。また、適度な濃度の電解質も含まれているため、汗で失われる塩分などのミネラルを補給することができます。
これらの飲料は、特に長時間のトレーニングや、汗をかく量が多い環境でのトレーニング時に適しています。ただし、糖分も含まれているため、摂取カロリーには注意が必要です。
クレアチンは、筋肉内における水分保持の効果があります。トレーニング前にクレアチンを補給することで、筋肉内の水分量が増加し、筋力や筋持久力が向上する効果が期待できるのです。また、水分保持効果により、筋細胞の容積が増加し、これが筋タンパク質合成を促進する可能性も示唆されています。
ただし、効果には個人差があるため、自身の体調や目的に合わせて適切な摂取量を決定することが重要です。
今回は筋肉と水分の関係について解説しました。筋トレ効果をあげるためには適切な水分補給が欠かせません。トレーニング時は喉が渇く前にこまめに水分を補給し、必要に応じてスポーツドリンクやBCAAなども活用しましょう。過度な摂取は避け、自分の体調に合わせた適切な量を心がけることが大切です。
REAL WORKOUT(リアル ワークアウト)では、筋トレの専門知識をもったパーソナルトレーナーが、利用者の目的に合わせて二人三脚で伴走します。自宅でできるトレーニングの指導も可能です。カウンセリングからメニュー作りの相談、実際のトレーニングを試せる60分の無料体験を実施しています。しつこい勧誘は一切ありませんので、ご安心ください。
全国に100店舗以上展開してますので職場や自宅など通いやすい場所にぜひ一度お越しください。