「筋トレを続けているのに周りの人に比べて筋肉がつかない・・・」
「筋肉につきやすさに体質は関係あるのかな?」
本記事では、こんなお悩みをお持ちの方に、筋肉がつかない原因について解説します。
後半には「筋肉をつきやすくする5つのコツ」についてもご紹介!ぜひ最後までご覧ください。
Table of Contents
筋肉がつきにくい悩みを解決したいのであれば、まずは「筋肉がつくしくみ」について理解しておきましょう。
筋肉(骨格筋)は、筋原線維という細胞が集まって筋線維になり、さらに筋線維が束(筋束)になっているという構造です。細いゴムを束ねて太いゴムにしたようなイメージです。この筋線維が増えたり、成長して筋肉が大きくなる現象を「筋肥大」といいます。
筋肥大は複雑なプロセスから成り立っています。
筋トレなどによる外部からの刺激が筋肉に加えられると、筋線維が微細な損傷を受けるため、体は修復と適応のプロセスを開始します。ミオシンやアクチン(筋原線維内の細胞)といった筋細胞が増加し、それが結合して筋線維の拡大を引き起こします。これによって筋肉が強化され、外部刺激(ストレス)に適応できるようになります。このサイクルが繰り返されることで、筋肉は徐々に成長し、筋肥大が実現されると言われています。
詳しくは後述しますが、筋肥大には男性ホルモンといわれる「テストステロン」が深く関与しています。テストステロンの分泌量には年齢や性別によって大きな差があり、この差が筋肥大や全体の筋肉量の差に関係すると考えられています。
また、筋肥大には適切な栄養と十分な休息も欠かせません。筋肉の材料であるタンパク質が新しい筋肉の合成に重要な役割を果たし、休息中に修復と成長が促進されます。
トレーニングの世界では筋肉がつきやすい人を「イージーゲイナー」、逆に筋肉がつきにくい人を「ハードゲイナー」と呼んだりすることもあります。筋肉がつきやすい、つきにくいという点に関して、個人の体質は一定の影響を与えます。主に性別、遺伝的な要素、そして年齢などが関連しています。
本章では、筋肉のつきやすさと体質に焦点を当てて解説します。
「男性らしい体つき」や「女性らしい体つき」という印象があるかと思います。これは、男性ホルモンや女性ホルモンと呼ばれる「性ホルモン」が筋肉の成長に大きな影響を与えるからと考えられます。
特に、男性ホルモンと呼ばれる「テストステロン」は筋肉の合成を促進する作用があります。
男性は生物学的に女性よりもテストステロンの分泌量が多い(女性は男性の5~10%ほどしかないと言われています)ため、男女で比較すると男性の方がより筋肉が発達しやすいとされています。
テストステロンの分泌量は男性の中でも個人差があるので、そういった元々の体質によっても筋肉のつきやすさは関係してくるでしょう。
ただし、テストステロンは筋トレや運動をすることで分泌量が増えるため、筋肉がつきにくいと感じている人もあきらめずに頑張りましょう。
ちなみに女性ホルモンと呼ばれるエストロゲンも筋肉の成長に関係するものの、男性ホルモンと比べると影響が低いとされています。
親から受け継いだ遺伝子も筋肉のつきやすさに影響を与えます。
筋線維は「速筋線維(そっきんせんい)」と「遅筋線維(ちきんせんい)」に分類され、筋力があり筋肥大するのは速筋繊維で持久力があるのが遅筋線維です。
短距離のスプリンターとマラソンランナーの体をイメージすると分かりやすいのではないでしょうか。個々の速筋線維と遅筋線維の割合は遺伝子によって決まっています。(一卵性双生児は筋線維組成はほぼ同じ)
ただし、遺伝子の影響もあくまで一つの要因であり、適切なトレーニングや生活習慣の改善によって克服できるとも考えられています。
加齢もまた筋肉の発達に影響を及ぼします。
筋肉の成長を促すテストステロンの分泌量は成長期の10代から20代前半がピークで、20代後半からは減少していきます。但し、急激な筋肉量の減少は病気の可能性もありますので受診して医師に判断してもらうとよいでしょう。
30〜40代になると、年齢的に仕事や家庭環境の変化による精神的なストレスなども重なりやすく、筋肥大に悪影響を与えることも考えられます。しかし、加齢による筋肉の減少も筋トレをすることで抑えることができるのでアンチエイジングのために適切な筋トレは必須と言えるでしょう。
このように体質による筋肥大への影響は否定できませんが、トレーナーとしてさまざまな人を見てきた結果、体質以前に生活習慣や食事バランスの悪い人が多いようにも思います。
ここからは体質以前の問題で考えられる、筋肉がつきにくくなる原因を3つ挙げて解説していきます。
正しくない筋トレのフォームは筋肥大を妨げる最大の原因となります。筋トレのフォームが悪いと、十分な刺激が筋肉に伝わらず、成長が制限されることがあります。BIG3と言われるスクワット・デッドリフト・ベンチプレスなどの多関節種目はフォームが難しいので自己流でやってきて結果が出ていない人はトレーニーに見てもらうことをおすすめします。一時的にパーソナルジムに通うのも良いでしょう。
また、同じトレーニングメニューを長期間続けることも筋肉の成長を妨げる原因になります。トレーニングの効果を最大化するためには、正しいフォームで筋肉の成長の変化に合わせたトレーニングを心がけることが大切です。
筋トレで筋肉に負荷をかけた後は十分な休息が必要不可欠です。筋肉は休息中に修復され成長します。
筋トレを頑張っていても睡眠不足だという人は、それが筋肥大を妨げている原因かもしれません。
最近は「睡眠の質が大事」と聞くことが多いかもしれませんが、質にこだわりすぎて量が足りていないと本末転倒です。筋トレをがんばればがんばるほど、より多くの睡眠が必要です。最低でも7時間〜8時間の睡眠を取ることを心がけましょう。
食事管理なくして筋肥大なしといっても過言ではありません。筋肥大が目的なら摂取カロリー>消費カロリーの状態を続けることが原則です。痩せ型の人だとしっかり食べているつもりでも、実は体重増加に必要な量を食べていない場合が多いです。
例えば月火水はしっかり食べていたが、木金土は食べる量が減ってしまって一週間トータルで見るとアンダーカロリーになっているというパターンもあります。
筋肉がつかない原因として、食事管理ができてない人は意外に多いのです。
一部の病気や症状も筋肉の発達を妨げる原因となります。例えば、筋ジストロフィーや筋萎縮性側索硬化症(ALS)などは、筋肉の減少や機能の低下を引き起こす疾患です。
また、甲状腺機能低下症や糖尿病など、代謝に影響を与える病気も筋肉の発達に悪影響を与える可能性があります。症状が続く場合は医師と相談し、専門的なアドバイスを受けることが望ましいです。
筋肉をつけるためには、効果的なトレーニングや生活習慣の継続が不可欠です。
本章で筋肉をつけやすくするための5つのコツを紹介します。
正しいフォームで筋トレを行うことは、特定の筋肉に効果的な刺激を与える重要なポイントです。
不適切なフォームでトレーニングを続けると、間違った部位に負荷がかかり、ケガのリスクが高まります。できればトレーナーから筋トレ前に「自分にあった正しいフォーム」を学び、鏡を活用して繰り返し自身のフォームを確認しましょう。
一度正しいフォームができても続けるうちにずれてきてしまうこともあるので見直しチェックも行いましょう。正しいフォームでトレーニングすることで、ターゲットとなる筋肉に適切な刺激が届き、成果を最大化できます。
正しいフォームで適切な負荷をかければ筋肉は成長します。ただし、筋肉がストレスを感じない負荷だと成長は止まってしまいます。
「過負荷の原則」は、体に一定以上の運動負荷を与えることで、機能が向上するという考え方です。
筋トレがキツくないと感じられるようであれば、重さやセット数を増やすなどで負荷を調整していきましょう。ただし、無理な負荷や急激な増加はケガの原因となりますので、安全かつ着実に負荷を増やすことが大切です。
最近の研究では「総負荷量」を高めることが筋肥大のカギであるということが示されています。総負荷量とは、重量✖️回数✖️セット数です。例えば、10キロで10回3セット行ったら、総負荷量は300となります。例えば、胸筋を大きくしたいなら、胸筋を鍛える種目を行うことで得られる総負荷量を増やすよう意識しましょう。
筋肉を増やすための材料が無いのに筋肉は増えません。したがって、筋肥大のための食事管理は「摂取カロリー>消費カロリー」を継続することが大前提です。
さらには以下のポイントも優先順位が高い方法です。
タンパク質やビタミンミネラルはサプリメントを活用すると手軽だし量も分かりやすいため便利です。
「寝る子は育つ」という言葉がありますが、筋肉も同じです。しっかり筋トレしてたくさん食べてたくさん寝るというシンプルに健康的な生活が筋肥大するポイントとも言えるでしょう。睡眠不足になると、筋肉の回復が追いつかなくなったり、体調を崩して筋トレができなくなるリスクも上がります。筋トレにかかわらずとも集中力低下、肥満のリスクにも関係があります。7時間〜8時間は寝れるようにして、寝室は暗く静かに、気温も暑すぎず寒すぎない適温にしましょう。
寝酒は睡眠の質を下げるとも言われてますので、避けた方が良いでしょう。
筋トレの効果を上げるには正しいフォーム・食事管理・休息が何より大切です。筋トレで間違えたフォームで続けてしまうと効果が得られないどころか、ケガの原因にもなります。また、筋肥大において食事管理は非常に重要です。パーソナルジムでは、これらの知識について熟知したプロのトレーナーによる徹底的なサポートを受けることができますので、筋トレを続けているのに筋肉が成長しないという方は短期間でも利用されることをおすすめします。
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