「筋トレで体重が増える場合がある」
こんな話を聞いたことはありませんか?実際に筋トレで体重が増えることはあるのでしょうか?
体重との関係性を知らずに筋トレをすると、余計な不安を抱えてしまう場合があります。
本記事では、筋トレと体重の関係性について解説します。ぜひ最後までご覧ください。
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筋トレを始めると体重が増加することがあります。これは必ずしも悪い兆候ではありません。この体重増加は体が筋トレに反応している状態で、筋トレの効果がでる過程では自然に起こりうる現象です。
とは言っても体重が増えてしまうと不安になる人も多いかと思いますので、まずはこの体重増加の理由について解説します。
まずは前提として、筋トレしたから体重が増えるというわけではなく、筋トレをして筋肉が増えることによって、体重が増加することがあります。
その主な理由を4つ解説します。
ひとつめは「筋肉は脂肪より重いから」という物理的な理由です。
これは筋肉は脂肪に比べて密度が高いためです。筋肉より脂肪のほうが約2割ほど体積が多いと言われていますので、同じ体積の脂肪が筋肉に置き換わった場合、その重量は増加するのです。この場合の体重増加は必ずしも健康に悪いわけではなく、実際には体の成分が改善している証拠です。
筋肉が増えると体はより引き締まり基礎代謝も上がるため、長期的には体脂肪の減少に繋がります。
ある程度の重量を扱う筋トレは、骨に負荷をかけることで骨密度を高める効果があります。
骨密度が増すと骨が強くなり、骨折のリスクが減少します。これもまた、体重のわずかな増加に繋がる可能性がありますが、健康的な骨を維持するためには非常に重要な過程です。
筋トレをすると筋肉は微細に損傷し、損傷した筋肉が修復して成長していく過程で筋肉は多くの水分を保持しようとします。筋肉量が増えることで、筋肉内のグリコーゲン(エネルギー源として使われる炭水化物)の貯蔵量も増え、そのグリコーゲンは水分を引き寄せる性質があるためです。この水分保持は一時的に「むくみ」として現れることがあります。特に初めて筋トレを行った後や、普段とは異なる強度でトレーニングした後によく見られます。
筋トレの上級者でも脚などの大きな筋トレを行った後はむくむことがあります。また、体脂肪が高いと、体はよりむくんで見えることがあります。これは脂肪周辺の循環が悪くなり、体内の水分がうまく排出されないためです。
しかし、筋トレにより筋肉量が増えると、血流が改善されてむくみを軽減する効果があります。特にふくらはぎの筋肉は、血液を心臓へと押し戻すポンプの役割を果たします。筋肉内の水分保持が一時的に体重増加の一因となるかもしれませんが、これは筋肉の成長が促進されている証拠とも言えるでしょう。筋トレを続けることで、体はより引き締まり、むくみにくい状態になることが期待できます。
筋トレをすると、体のエネルギー消費が増え、結果として食欲が増加することがあります。筋トレによって消費カロリーが増えることで、自分でも気づかないうちについ食べすぎてしまう可能性があるのです。筋肉の回復と成長のためには、特にタンパク質の摂取を増やすことが推奨されますが、全体的なカロリー摂取量には注意が必要です。食事の量と質に注意を払い、必要な栄養素をバランス良く摂取することを心がけましょう。
また、ダイエットのために有酸素運動をする場合もあると思いますが、実は筋トレよりも有酸素運動をしたほうが空腹感を感じやすくなることが多いと言われています。これは、エネルギー消費量やホルモンや血糖値の変動によるものです。
このように筋トレによる体重増加は、体重の数字だけに焦点を当てるのではなく、体脂肪率や筋肉量、そして体の見た目の変化に注目することが大切です。
せっかく筋トレを頑張っているのに体重が増えるのは不安に感じる人もいると思いますが、体重増加が必ずしも悪いことではないということを理解することも重要です。
この章では、筋肉をつけることのメリットと、体重増加へのポジティブな見方について解説します。
本来、体脂肪率は変わらずに筋肉量が増えて体重が増えることは、体が引き締まりシルエットがかなり見違えるので、体重の増減に左右される必要はないのです。また、筋肉をつけることは、単に見た目を良くするだけではなく、体の機能性を高め、健康を向上させる多くの利点があります。
筋肉量が多いほど、基礎代謝率(体が休息時に消費するエネルギーの量)が高くなります。基礎代謝率が高くなると、活動していない時でもより多くのカロリーを燃焼してくれるので、体重が増えにくくなるのです。
筋肉をつけることで、日常生活での様々な動作が容易になります。例えば、重いものを持ち上げることや、階段を上ることなどが楽になるでしょう。
筋トレは骨密度を高める効果があり、骨粗しょう症のリスクを減少させます。
筋肉をつけることによって生活習慣病やメタボリックシンドローム(内臓肥満に高血圧・高血糖・脂質代謝異常が組み合わさることによって心臓病や脳卒中などになりやすい病態)、成人病と言われるがんや心疾患や糖尿病のリスクを減少させることが示されています。
結論として、重要なのは体重ではなく体脂肪と筋肉量の体組成です。筋トレによって体脂肪が落ちて体重増加している場合はポジティブに捉えましょう。
筋トレ初心者のときは体の変化が起こりやすく、一時的に体重が増えることは一般的ですが、無制限に増えて良いというわけではありません。個人差があるので、自分の体重増加の範囲を理解し進捗をしっかりモニタリングしていきましょう。
ここでは、体重増加の目安の計算方法と、増えすぎた場合の対処法を解説します。
筋肉量アップに伴う体重増加の目安を理解するためには、まず自身の体脂肪率と筋肉の割合を知ることが不可欠です。これらの数値を基に、筋トレが体重にどのように影響するかを逆算することができます。体組成の変化を正確に把握することで、筋肉増加の目標を設定し、適切なペースで進めることが可能になります。
仮に体重が65kg、体脂肪率が30%の女性が、筋トレをして体重が1kg増えた場合の例を見ていきましょう。
体重が1kg増えて65kg→66kgになったとします。この増加後の体重に対する体脂肪量と除脂肪体重(脂肪以外の筋肉や骨や臓器などの重さ)の変化を逆算するためには、増加した体重が筋肉によるものか、それとも体脂肪の増加によるものかを判断する必要があります。
仮にその増加が全て筋肉によるものであれば体脂肪率は30%から約29.55%に減少しているはずです。逆に、全て脂肪による増加であれば体脂肪率は30%から約31.06%に増加します。
実際には、その1kgの増加が筋肉か脂肪かどちらか一方のみということはないので、この数値の間のどこかに収まることになるでしょう。
もし、体重が増えていても体脂肪率が減っていたならそれは筋トレ効果が出ている証拠です。たった1kgだとしてもそれが筋肉と脂肪の構成が入れ替わっているなら見た目にも変化があるはずです。
体重増加が筋肉量の増加によるものか、それとも体脂肪の増加によるものかを区別することは重要です。目安を超える体重増加が見られた場合、以下の対処法を検討してみましょう。
有酸素運動は、体脂肪を効果的に減らす手段です。
ウォーキング、ジョギング、サイクリング、スイミングなどの有酸素運動を取り入れることで、体脂肪の燃焼を促進し、体脂肪率を減らすことができます。
ただし、やりすぎると筋肉が減ってしまう可能性があるので、週に2〜3回で一回あたり30分程度が良いと言われています。
体重増加の原因が過剰なカロリー摂取である場合、食事内容の見直しが必要です。
元の体重に戻すまでは消費カロリー>摂取カロリーの状態を維持し、食事内容は高タンパク質で低脂肪の食品を中心に、ビタミンミネラルも取り入れたバランスの良い食事を心がけましょう。また、空腹時に過食を防ぐために、小分けにして頻繁に食事を取る方法も有効です。
筋トレを始めてからの体重増加がどれくらいの期間続くのかは個人差が大きいです。
主に筋肉の成長、水分保持、体脂肪の変動に関連していて、これらの要因はトレーニング内容や遺伝、そして普段の食事内容にも大きく影響します。
筋肉の成長に関しては、トレーニング歴によって大きく異なります。筋トレには「初心者ボーナス」があり、初心者は筋トレを開始してから数週間〜数ヶ月で急速に筋肉が成長することがあります。
女性の場合、1年で5kgほど増える人もいるようです。2年目は2〜3kg、3年目は1〜2kg、それ以降は1年で0.5kg増えれば良い方だとされています。男性の場合はこの倍位です。上級者ともなると筋肉の成長はより緩やかで、持続的な努力が必要になります。
今回は、筋トレによる体重増加に関しての解説でした。初心者のときには一時的に体重が増えることがありますが、意識すべきは体重の数字よりも体の見た目の変化や筋トレによって得られる多くのメリットです。体重計の数字に囚われず、体脂肪率や筋肉量、そして鏡の中の自分の姿をチェックしましょう。体重が増えても、それが筋肉によるものなら健康的な変化の証なのです。また、短期間での変化を期待するのではなく、長期的な目標に焦点を当てることも大切です。
時間をかけてゆっくりと体を変えていくことで、長期的には大きな成果を得ることができます。
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