筋トレは腸内環境も改善する?便通が良くなったという声も

公開日:2025/01/05 更新日:2025/01/13

腸は健康の要といえる器官であり「腸活」という言葉も一般的になってきました。そんな腸内環境の改善に向けて筋トレが大きな役割を果たすことをご存知でしょうか?
本記事では、筋トレと腸内環境の関係性について詳しく解説します。便秘症の方や腸から健康を整えたい方は必見です。ぜひ最後までご覧ください。

腸活が注目されている理由

近年、健康における腸の重要性が広く認識されるようになり「腸活(ちょうかつ)」という言葉を頻繁に耳にするようになりました。なぜ腸活が注目を集めているのでしょうか?

腸は単なる消化器官ではありません。実は腸には「腸神経系」と呼ばれる、脳に匹敵する複雑な神経ネットワークが存在しているのです。神経細胞の数は約1億個にも及び、なんと脊髄に含まれる神経細胞の数よりも多いそうです。 このような特徴から、腸は「第2の脳」と呼ばれています。
では、腸活が注目されている具体的な理由について見ていきましょう。

免疫細胞の7割が集まっているから

人体の免疫システムの中で、実に70%もの免疫細胞が腸に集中していることをご存知でしょうか。この事実は、腸が単なる消化吸収器官ではなく、私たちの健康を守る重要な免疫器官でもあることを示しています。腸管免疫系は、食べ物と一緒に体内に入ってくる病原体から体を守る最前線として機能します。また、善玉菌として知られる有益な腸内細菌は、この免疫システムと協力して働き、私たちの健康を維持しています。50代以降は加齢に伴い免疫力が低下しがちですが、腸内環境を整えることで、免疫力の維持・向上が期待できます。

腸内細菌が代謝に影響するから

腸内には約1,000種類、100兆個もの細菌が生息しており、これらは「腸内フローラ」と呼ばれています。近年の研究により、この腸内フローラが私たちの代謝活動や体重管理に重要な役割を果たしていることが明らかになってきました。特に注目すべきは、腸内細菌の種類によって、エネルギーの吸収効率や脂肪の蓄積傾向が変わってくるという点です。例えば、ある種の腸内細菌は食物繊維を発酵させて短鎖脂肪酸を作り出し、これが脂肪の蓄積を抑制する効果があることが分かっているそうです。

幸せホルモンが腸で生成されるから

「幸せホルモン」として知られるセロトニンですが、実はその多くが腸で作られています。
セロトニンは気分の安定や睡眠、食欲の調節など、様々な生理機能に関与する重要な神経伝達物質です。腸内環境が乱れることで、セロトニンの産生にも影響を及ぼす可能性があり、精神的に不安定な状態を引き起こす恐れがあるのです。

美肌効果をもたらすから

腸内環境と肌の健康には、密接な関係があることをご存知でしょうか。健康な腸内環境では、栄養素の吸収が促進され、それが肌の状態改善に繋がるのです。また、腸内細菌によって作られる短鎖脂肪酸には、抗炎症作用があります。さらに、腸内環境が整っていると、ビタミンの産生や吸収が促進され、肌の新陳代謝も活発になります。
逆に、腸内環境が乱れると、有害物質の産生が増え、それが肌トラブルの原因となるおそれがあります。

筋トレが腸内環境に与える影響とは

筋トレをはじめとした運動の効果が、具体的に腸内環境にどんな影響を及ぼすかについてはまだ研究途中のようです。しかし、腸内環境に一定のプラスの影響をもたらすことはわかっています。それぞれ具体的に見ていきましょう。

便通改善

蠕動(ぜんどう)運動とは、腸の壁にある筋肉が波のように収縮と弛緩を繰り返すことで、食べ物を体内に運んだり、便を送り出す動きのことです。筋トレはこの蠕動運動を活発にする効果が期待できます。特に、腹筋や体幹のトレーニングが腸を取り囲む筋肉を直接的に刺激するため、蠕動運動の活性化に役立つといわれています。また、排便でいきむ時には腹筋が大きく関わってきますので、お腹まわりの筋肉を鍛えることで便通改善にもつながるのです。

筋腸相関

これまで、運動が老化や病気の予防になることはわかっているものの、具体的に体内でどんな作用があるのかについては解明できていませんでした。ところが、昨今の研究で、新たに筋肉と腸が影響し合う「筋腸相関(きんちょうそうかん)」の仕組みが解明されつつあるそうです。この研究によると、運動すると分泌される善玉マイオカイン(筋肉から分泌される生理活性物質の総称)が、骨や血管、脳や腸といった全身の臓器に良い影響を与えることがわかってきています。したがって、筋トレは、筋肉を動かすことでマイオカインが分泌され、腸をはじめとしたさまざまな臓器に良い影響をもたらしている可能性があるのです。

出典:骨格筋と腸のクロストーク“筋腸連関”からみる代謝,運動の機能制御

筋トレ習慣で腸内環境が整った体験談

実際に、筋トレ習慣で腸内環境が整った方の意見をご紹介します。

筋トレを始めて2〜3年が経ちます。以前は便秘に悩まされていた時期もありましたが、気がつけば最近は便秘知らずな快便です。
お腹の調子も良く、腸内環境が整っている感覚はあります。
具体的に筋トレのおかげなのかははっきりわかりませんが、筋トレを続けていることで美意識が高まり、食生活にも気をつけることになったことも影響しているかもしれません。
また、トレーナーさんより、お腹を鍛えると腸活になると言われた事がありますが、以前に比べて腹筋が確実に強くなっているので、これも腸内環境が整ったと感じる原因の1つなのかもしれません。以前は深刻な悩みだった肩こりや腰痛も無くなり、筋トレの効果を体中で実感しています。
(リアルワークアウト赤羽店 会員 E.S様)

腸内環境改善に効果的な筋トレメニュー

腸内環境の改善には、腹部周りの筋肉を意識的に動かすトレーニングが効果的です。
本章では、自宅でも安全に行える3つの基本的なトレーニングメニューをご紹介します。どれも特別な器具を必要とせず、初心者の方でも無理なく始められるものばかりです。

ドローイン

ドローインは、おへそを背骨に近づけるように腹部を引き込むトレーニングです。腹筋のインナーマッスルである腹横筋を鍛えることができ、腸を適度に刺激する効果があります。

実施方法

  1. 仰向けに寝て、膝を立てた状態にします
  2. 自然な呼吸を心がけながら、おへそを背骨に向かって引き込むようにします
  3. その状態を5〜10秒間キープします
  4. ゆっくりと力を抜きます

1日3セットを目安に行いましょう。慣れてきたら、呼吸を整えながらセット数を増やしていきましょう。

ロールダウン

ロールダウンは、背骨を意識しながら上体を前に倒していくトレーニングです。腹筋だけでなく背筋も使うため、腸の動きを促進する効果が高いと言われています。

実施方法

  1. 床に座り、膝を軽く曲げた状態で足を前に伸ばします
  2. 背筋を伸ばし、両手を膝の横に置きます
  3. あごを引きながら、背骨を一つずつ丸めるように上体を前に倒していきます
  4. 限界まで前屈したら、ゆっくりと元の位置に戻ります

このトレーニングは朝一番に行うと、腸の働きが活発になりやすいです。1日5〜8回程度から始めることをおすすめします。

ロールアップ

ロールアップは、腹筋全体をまんべんなく使うトレーニングです。腹部の深い位置にある筋肉も使うため、腸の蠕動運動を促す効果があるといえるでしょう。

実施方法

  1. 仰向けに寝て、両足を揃えて伸ばします
  2. 両手を天井に向けて伸ばします
  3. あごを引き、首から胸、そして腹部へと、徐々に上体を起こしていきます
  4. 最後は背筋を伸ばした座位の姿勢になります
  5. ゆっくりと元の位置に戻ります

初めは3〜5回から始め、徐々に回数を増やしていきましょう。特に、上体を起こすときは勢いをつけず、ゆっくりと行うことが重要です。

腸内環境を整える食事メニュー

筋トレと合わせて重要なのが、適切な食事管理です。

腸内環境を整えるためには、発酵食品、食物繊維、たんぱく質、そして適切な水分摂取が重要になります。年齢とともに消化機能は低下していきますが、正しい食事選択で腸内環境を健康に保つことができます。

発酵食品

発酵食品には、腸内細菌のバランスを整える生きた微生物が含まれています。代表的な発酵食品として、乳製品系ではヨーグルト、チーズ、大豆製品では納豆、味噌、醤油が、野菜系ではキムチ、ぬか漬け、浅漬けなどが挙げられます。これらの発酵食品は、毎日の食事に1〜2品程度取り入れることをお勧めします。ただし、中には塩分が多いものもあるため、摂取量には注意が必要です。

食物繊維

食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けない「不溶性食物繊維」の2種類があり、どちらも腸活に有効です。それぞれの役割についてご紹介します。

水溶性食物繊維

水溶性の食物繊維は、便を軟らかくし腸内での滑りを良くする働きがあります。水溶性食物繊維を多く含む食品はレモン・オレンジといった柑橘類、昆布・ワカメといった海藻類などがあります。

不溶性食物繊維

不溶性の食物繊維は、便をかさ増しさせて便通を促す働きがあります。便の量が増えることで腸管のぜん動が活発になることで便通が促されるのです。また、大腸の中を移動しながら腸壁に残っている古い便かすをからめとる腸管の掃除の役割も担います。不溶性食物繊維を多く含む食品は大豆、ゴボウ、穀類などがあります。

1日の目標摂取量は20〜25gで、日々の食事で意識的に緑黄色野菜や海藻類、根菜類を取り入れることで達成できるでしょう。ただし、食物繊維は一度に多量に摂取すると消化器系に負担をかける可能性があるため、1日3食に分けて摂取することをおすすめします。

たんぱく質

筋肉の修復と成長に不可欠であるたんぱく質ですが、動物性たんぱく質を大量に摂取すると、腸内に棲む悪玉菌の好きなエサが増えて腸内環境が悪化しやすくなるといわれており、注意が必要です。肉類であれば、脂質の少ない鶏むね肉などを選ぶと良いでしょう。鮭、マグロ、サバなどの魚類は、たんぱく質が良質な上に、健康増進作用のあるオメガ3脂肪酸も豊富です。卵や乳製品、大豆製品なども優れたたんぱく質源となります。
50代の方の目安として、1日のたんぱく質摂取量は体重1kgあたり1.2〜1.5g程度が推奨されます。これは体重60kgの方であれば、1日72〜90g程度のたんぱく質摂取が目標となります。

水分

適切な水分補給は、腸内環境を整える上で非常に重要です。水分には便の適度な水分量を保ち、腸の粘膜を保護し、栄養素の運搬を助け、老廃物の排出を促進する効果があります。1日に必要な水分量は、体重×30mlを目安とします。例えば、体重60kgの方であれば1日1800ml程度の水分摂取が推奨されます。起床時と就寝前の水分補給を心がけ、特にトレーニング前後は意識的に水分を摂ることが大切です。

筋トレと食事で腸内デトックスにチャレンジしてみよう!

腸内環境の改善には、適度な筋トレと正しい食事管理が重要です。特に50代以降は、加齢に伴う筋力低下と腸内環境の変化が気になる年代ですが、本記事でご紹介したトレーニングと食事の工夫で、着実な改善が期待できます。腸内環境が整えば、便秘の改善だけでなく、免疫力の向上や全身の健康維持にもつながるはずです。ぜひ今日から、あなたに合った方法で腸活を始めてみましょう。


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執筆監修者
株式会社WORKOUT
代表取締役 Co-founder & CEO
1985年5月24日生まれ、東京都港区出身。
10代で吉本RandC(現 吉本ミュージック)にて業務委託のアーティスト兼クリエイターとして活動。
その後、20代前半でインターネットマーケティング会社を起業。以降、出版広告会社の代表も務め、30歳の時に東証1部上場企業へ事業譲渡。
事業譲渡後は、株式会社アカツキの新規事業開発室(LX事業部)にジョインし、エンターテイメントxテックを中心とした新規事業、各IPの立ち上げに携わる。
2018年に同社創業、代表取締役に就任。
創業から僅か5年でパーソナルジム「REAL WORKOUT」を国内外に100店舗展開している。
執筆トレーナー
新中野店オーナートレーナー
出口 雄策

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自分自身も学生時代に肥満で悩んでおり、筋トレと食事管理で30kg痩せることができました。
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くびれ作りや、逆三角形体型、ヒップアップをしたい等のボディメイクも得意としております!

■資格■
・JOPH ダイエットアドバイザー
・JCCA ベーシックインストラクター

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