「筋トレに炭水化物はいる?いらない?」本記事では、炭水化物と糖質の違いや筋肉との関係性について詳しく解説。後半は筋肥大で意識するべき炭水化物摂取3つのポイントについてもご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
炭水化物は私たちの体にとって重要な栄養素のひとつです。三大栄養素と言われる「炭水化物・タンパク質・脂質」のなかのひとつで、生命活動のエネルギー源としての役割があります。
炭水化物はエネルギー源なので、車で言うとガソリンのような役割です。炭水化物を摂ると、体内で徐々に分解されていきブドウ糖(グルコース)として血液中に吸収され、筋肉や脳などの器官にエネルギー供給を行います。
筋トレを行う際には筋肉にエネルギーを供給してくれる、トレーニーにとっては欠かせない重要な栄養素です。
最近は「糖質制限」という言葉が一般化してきて、炭水化物と糖質が混同されてしまうことがありますが両者は別のものです。
炭水化物は炭素、水素、酸素から構成される栄養素の一つで、文字通り「炭素や水素の化合物」です。一方で、糖質は単糖(ブドウ糖や果糖など)の形での糖分を指します。
炭水化物は主に糖質と食物繊維で構成されています。糖質は消化・分解されてエネルギー源となりますが、食物繊維は消化されないのでエネルギー源にはなりません。腸内環境の改善などに役立ちます。
つまり、炭水化物は糖質を含む幅広いの化合物で、糖質は炭水化物の一部と言えます。
ここからは、筋肉と炭水化物がお互いにどのような関係性を持っているのかについて解説していきます。
筋トレを行う際、筋肉は大きなエネルギーを必要とします。筋肉を動かす時のエネルギーは主に炭水化物から供給されます。炭水化物を摂ると胃液や消化酵素などで体内で徐々に分解されていくなかで「グリコーゲン」と呼ばれるエネルギー貯蔵物質に変化し肝臓や筋肉に蓄えられます。筋肉に蓄えられたグリコーゲンは「筋グリコーゲン」と呼ばれています。筋グリコーゲンは筋肉を収縮する時に必要なエネルギーとして利用されるため、筋トレ中に十分な筋グリコーゲンがないと、筋肉はエネルギー不足となり、トレーニングの効果が低下する可能性があります。
体作りにおいて、筋グリコーゲンの元となる炭水化物の摂取が不足するのは大きなリスクがあります。なぜなら、炭水化物が不足すると筋肉が減ってしまうことがあるからです。
エネルギー源として体内に蓄えている炭水化物(グリコーゲン)が足りなくなると、代用エネルギーとして、筋肉をアミノ酸に分解してそのアミノ酸をエネルギー源にしようとします。この反応は「糖新生(とうしんせい)」と呼ばれています。
筋肥大を目指している人は、万が一糖新生が起こってしまうと、筋肉がどんどん少なくなっていってせっかく筋トレしていても逆効果となります。また、筋トレでダイエットを目指している人にとっても、筋肉が落ちることで基礎代謝が下がり、リバウンドをしやすくなります。
炭水化物抜きダイエットや糖質制限がメジャーになってますが、体作りにとって炭水化物不足はネガティブな要素があるいうことを理解しておきましょう。
これまでの説明で、筋トレに炭水化物が必要な理由がわかってきたと思いますが、さらに覚えていただきたい2つの理由があるので、詳しく深掘りしていきます。
まず1つ目は「筋肉の減少を抑える」という点です。
「筋肉を増やす」ことは重要ですが、「筋肉を減らないようにする」視点も重要です。筋肉は常に合成(アナボリック)と分解(カタボリック)を繰り返しており、筋肉を増やしたいなら合成の時間を多く、分解の時間を短くすることが重要です。
筋トレをしている時と終わった後は筋肉は合成に傾きますが、この時に筋肉のエネルギー源である炭水化物や材料であるタンパク質が不足していると、合成される量が少なくなってしまいます。それどころか、分解される側に傾きやすくなるとも言われています。前述の「糖新生」も起きやすくなるでしょう。
また、空腹時にも筋肉は分解されやすくなります。長時間の空腹は避け、こまめな栄養補給を意識しましょう。
筋肉にとってのグリコーゲンは、①エネルギーの貯蔵、②トレーニングの持続、③トレーニング後の回復という3つの重要な役割を持っています。
グリコーゲンは以下の流れで生成されます。
要は炭水化物を摂ることによって筋肉にとって重要なグリコーゲンが作られるということです。
筋トレのパフォーマンスを上げて筋肉を増やし、増えた筋肉を減らさないようにするためにも炭水化物の摂取が必要ということを覚えておきましょう。
「炭水化物が大切だというのは分かったけど、たくさん食べたら太ってしまうのでは?」と思うかもしれません。確かにやみくもに食べればいいというわけではありません。
炭水化物を食べたあとに分泌されるインスリンは「諸刃の剣」とも呼ばれ、筋肉にエネルギー源を運ぶのと同時に脂肪も増やしてしまう側面もあるのです。そこで、次は「筋肥大で意識するべき炭水化物摂取3つのポイント」について解説します。
摂取する炭水化物の種類も意識してみましょう。炭水化物の種類は大きく「単糖類(少糖類)」と「多糖類」に分けられます。
単糖類(少糖類)は「単純炭水化物」、多糖類と食物繊維を合わせて「複合炭水化物」と呼びます。
単純炭水化物の代表的な食べ物は砂糖やお菓子やジュースや精製された白米やパンなどで、複合炭水化物は、玄米やオートミールやそばや野菜や穀物など自然に近い形のものです。食べる時は複合炭水化物を優先して摂るようにすることをおすすめします。
吸収されるスピードを表す「GI値」が複合炭水化物のほうが低いため、同じ量を食べても複合炭水化物のほうが太りにくいとされています。逆に単純炭水化物の砂糖が多く含まれたお菓子やジュースは吸収速度が早いため血糖値が急激に上がりやすく脂肪に変わりやすいので避けましょう。
炭水化物は食べるタイミングも大事なポイントです。前述の通り炭水化物=エネルギー源なので、エネルギー供給を必要とするタイミングで摂るのが良いでしょう。
1日の初めである朝はエネルギーが必要なので多めに摂ることをおすすめします。夜は(特に寝る前など)エネルギーを消費しないので、余ったエネルギーは脂肪に変わりやすくなってしまいます。したがって、朝>昼>夜のように炭水化物の量を減らしていくと良いでしょう。
またトレーニング前後も炭水化物をしっかり摂りましょう。炭水化物からの筋グリコーゲンが不足しているとパフォーマンスが下がり非効率なトレーニングになってしまいます。トレーニング前に炭水化物を摂ってもトレーニングでエネルギー源として使わますので脂肪になりにくいです。そのため、安心して摂っていただいて大丈夫です。
まずは「摂取量」からアプローチしていきましょう。多すぎても少なすぎてもダメなので、適切な炭水化物の摂取量を意識することが不可欠です。
必要な摂取量は、年齢、性別、活動レベルによって個人差がありますが、今回は「20代の女性で日常的にトレーニングをしている人」で解説します。
20代女性で活動レベルが高い場合は、基礎代謝+活動代謝で1日の消費カロリーは平均的に約2,300kcalです。
筋肥大が目的の際には「摂取カロリー>消費カロリー」とする必要があるため、約2,500kcal摂取すると仮定します。
カロリーを構成するのは三大栄養素であるタンパク質・脂質・炭水化物の量の合計で、その三大栄養素のバランスは英語の頭文字から「PFCバランス」と呼ばれています。
筋肥大を目的とする場合、PFCバランスは炭水化物60%、タンパク質30%、脂質10%位を目安にすると良いとされています。また、それぞれの1gあたりのカロリーは炭水化物4kcal、タンパク質4kcal、脂質9kcalです。
上記を踏まえて炭水化物の摂取量を計算してみると、
2,500kcal×60%=1,500kcal
1,500kcal÷4kcal=375kcal
となるので、1日の炭水化物の摂取量は375gという結果になります。
白ごはん1杯(150g)に含まれる炭水化物が約55gなので375gで割ると7杯分になります。かなり食べられる印象ですよね。しっかり動いていればしっかり食べても大丈夫なんです。(ただし、PFCバランスは炭水化物60%、タンパク質30%、脂質10%ということを忘れないようにしましょう。)
トレーニングを行う日と休息日では、炭水化物の摂取量を調整することもおすすめします。トレーニング日には、より多くのエネルギーを必要とするため摂取量を増やし、休息日には減らすなど、活動レベルに応じて摂取量を調整しましょう。
今回は筋トレと炭水化物についてでした。
大事なポイントをまとめておきます。
炭水化物=悪者というイメージをお持ちの人もいるかもしれませんが、全くそんなことはありません。炭水化物が筋トレ効果を上げるカギとも言えますので、正しい知識をつけて炭水化物と上手く付き合っていきましょう。
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