【初心者向け】チンニング(懸垂)のコツとは?正しいフォームと効果を解説

公開日:2025/02/09 更新日:2025/02/15

チンニング(懸垂)は、背中や腕の筋力を効率的に鍛えられるものの非常に難しいトレーニングです。正しいフォームで行わなければ、効果が半減するだけでなく、ケガのリスクも高まります。
本記事では、チンニングの効果や初心者ができるようになるコツなどについて詳しく解説します。記事を読むことで、チンニングの知識が高まりますので、ぜひ最後までご覧ください。

チンニングとは?3つの効果を紹介

チンニングは、自身の体重(自重)を負荷として利用する上半身のトレーニングです。バーにぶら下がった状態から、背中や腕の力で体を引き上げる動作を指します。
単純な動きに見えますが、広範囲な筋肉群を同時に鍛えることができるので、効率よく筋力向上や筋肥大を狙えます。本章ではチンニングの3つの効果を解説します。

①広背筋を中心とした背中全体を鍛えられる

チンニングの最大の特徴は、背中全体の筋肉群をまんべんなく鍛えられることです。広背筋を中心に、首から背中にかけて広がる僧帽筋や広背筋の頭側にある大円筋といった背中全体の筋肉群も同時に刺激されるため、バランスの取れた背中の発達が期待できます。

②姿勢改善につながる

デスクワークやスマートフォンの使用が増加する現代社会は、姿勢が悪化しやすい環境です。チンニングによって背中の筋肉群が鍛えられることで、背筋を伸ばした状態が維持しやくすなります。その結果、日常生活における姿勢の改善にもつながるのです。

③基礎代謝アップにつながる 

背中は広背筋、脊柱起立筋、僧帽筋などの大きな筋肉のある部位です。したがってこれらの筋群を鍛えることで、基礎代謝アップにつながります。また、複数の大きな筋群を同時に使用することで、消費カロリーが高まり、脂肪燃焼にも効果的です。

初心者ができない理由

チンニングは、想像以上に難しいトレーニング種目です。特に女性の場合、1回もできない人がほとんどといっても過言ではありません。
本章ではチンニングができない理由について解説します。理由を理解して、効果的な克服方法を探ってみましょう。

筋力不足

最も一般的な理由は、単純な筋力不足です。チンニングは、自分の体重を引き上げる筋力が必要となるため、広背筋や上腕二頭筋といった引き上げに必要な筋肉が十分に発達していないと完全な形でのチンニングは困難です。実は、日常生活において自分の体重を引き上げるような動作はほとんど行わないため、チンニングに必要な筋力が自然に備わっているケースは稀なのです。

体重に対して筋肉量が足りない

体重と筋肉量のバランスも、チンニングの成功に大きく影響します。チンニングは上半身の筋肉を使って自分の体重を持ち上げるため、体重が重ければ重いほど、必要となる筋力が大きくなります。
一般的に、懸垂では体重の約75%を持ち上げると考えられています。例えば体重80kgの人が1回のチンニングを行うためには、約60kgの重さを引き上げる筋力が必要となります。これは、相当な筋力がないと達成が困難な数値といえるでしょう。

できないという思い込み

身体的な理由に加えて、多くの初心者が直面する壁が、心理的な側面です。「チンニングは難しい」「自分には無理だ」という思い込みが挑戦を妨げているケースが少なくありません。 また、一度の失敗経験が、その後の挑戦を躊躇させる原因となることもあります。
うまくいかない原因としては、誤ったトレーニング方法やフォームによるものであることが多いといえます。この場合、いくら練習してもなかなか成功につながらないため挫折してしまいがちです。
そのため、初心者や一度も成功したことが無い人は、最初にパーソナルトレーナーなどプロに指導してもらうことで、心理面の課題を克服しやすくなるはずです。

チンニングのポイントと正しいフォーム

チンニングは、複数関節を使う難しい種目のため、怪我の防止のためにも正しいトレーニング方法とフォームで行うことが非常に重要です。本章ではチンニング実施時の大事なポイントを解説します。

肩をすくめずに肩甲骨を下げる

チンニングにおいて最も重要なポイントの一つが、肩甲骨のポジショニングです。多くの初心者が陥りがちな誤りは、力んで肩をすくめてしまうことです。これは、肩関節に過度な負担をかけるだけでなく、本来狙うべき背中の筋肉への刺激を減少させてしまいます。
正しい肩甲骨の位置を保つためには、以下の点を意識します。

  • バーにぶら下がった時点で、肩甲骨を意識的に下方に引き下げる
  • 引き上げの動作中も、肩が耳に近づかないよう注意を払う
  • 背中を広く使うイメージを持ち、肩甲骨を寄せながら引き上げる

この動作は、実際にトレーニングを始める前に、バーにぶら下がった状態で練習することをおすすめします。適切な肩甲骨の位置を覚えることで、効果的なトレーニングが可能になるでしょう。

顎の高さまで上げることを意識する

チンニングのもう一つの重要なポイントは、適切な引き上げの高さです。多くの初心者は、バーに顎が届かないうちに動作を終えてしまいがちですが、これでは十分な刺激を得ることができません。
目標とすべき引き上げの高さは、バーが顎の位置まで来るところです。反動を使わず、できるだけ垂直に引き上げましょう。ただし、無理に高さを求めようとして、フォームが崩れてしまっては本末転倒です。まずは、届く範囲で確実な動作を心がけ、徐々に可動域を広げていくことをおすすめします。

チンニングができるようになるコツ

チンニングの習得には段階的にアプローチすることをおすすめします。 本章はチンニングを成功させるためのコツについて紹介します。

ななめ懸垂の練習

チンニングの段階的なアプローチとしては、まずはななめ懸垂から入ると良いでしょう。多くのジムに設置されているスミスマシンやパワーラックを利用して実施することができます。バーを低めに設定し、足を地面につけた状態で引き上げることで、自分の体重の一部だけを負荷として使用することができます。 

ネガティブの練習

ネガティブトレーニングとは、チンニングの降ろす動作(エキセントリック局面)に焦点を当てた練習方法です。 実施方法としては、まず台や補助を使ってバーの上部まで上がり、そこから3~4秒かけてゆっくりと体を降ろしていきます。 ネガティブトレーニングを通じて、チンニングに必要な筋力とフォームを効率的に身につけることができるでしょう。

チンニングマシンの使い方

チンニング習得をサポートする様々な設備が整っているジムもあります。特に、アシスト機能付きのチンニングマシンは、効果的な練習を可能にする優れたツールです。

補助器具の種類

チンニングバンド

チンニングバンドは、ゴムバンドを使用して体重をサポートする道具です。使用する際は、バーにバンドを掛け、片足や両足をバンドに乗せて実施します。バンドの強度は、補助が必要な重量に応じて選択し、徐々に弱いバンドに移行することで段階的に負荷を上げていくことができます。

アシスト機能

アシスト機能付きチンニングマシンが設置されているジムもあります。このマシンは、自分の体重から設定した重量分を差し引いた負荷でトレーニングすることができます。アシスト機能を使用する場合は、前章で解説した正しいフォームで10回程度できる負荷設定から始め、安定してきたら徐々に補助重量を減らしていきましょう。段階的な負荷の調整により、着実に筋力を向上させることができます。

背中の筋力の強化

チンニングができるようになるためは、背中の補助的なトレーニングも重要な役割を果たします。ラットプルダウンは得意だけどチンニングは苦手・・・という方がいるかもしれませんが、実は両者の基本的な動作パターンが似ています。したがって、ラットプルダウンの負荷を高めることでチンニングに必要な筋力も備わるのです。また、グリップ幅によって刺激される部位が変化しますので、以下を参考に筋力アップさせたい部位に合わせて変えると良いでしょう。

広いグリップ幅(肩幅の1.5倍程度)

広いグリップ幅でのトレーニングは、広背筋の外側部分により強い刺激が入るため、逆三角形の背中を作るのに効果的です。

狭いグリップ幅(肩幅程度)

狭いグリップ幅でのトレーニングは、背中の中央から下部や上腕二頭筋に、より強い刺激を入れることができます。初心者の方は、まず最も自然な動きで、かつ安定性が高い肩幅程度のグリップ幅から始めることをおすすめします。

ラットプルダウン以外にも、ダンベルロウやシーテッドロウなども背中の筋力アップに効果的です。これらのトレーニングを実施する際は、重量よりもフォームを重視しましょう。確実に背中の筋肉を使えているかを意識しながら継続的に実施することで、着実な筋力向上が期待できるはずです。

回数にこだわらず正しいフォームを意識しよう!

チンニングは、確かに習得が難しいトレーニングですが、正しいアプローチを取れば、誰でも実施できるようになります。重要なのは、回数にこだわりすぎず、まずは正しいフォームの習得に焦点を当てることです。補助器具やマシンを活用しながら、段階的に筋力と技術を向上させていきましょう。
効果的なトレーニング方法や正しいフォームの習得には、パーソナルトレーナーのアドバイスが非常に有効です。チンニングができなくて悩んでいる人は、ぜひパーソナジムを検討してみてください。


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執筆監修者
株式会社WORKOUT
代表取締役 Co-founder & CEO
1985年5月24日生まれ、東京都港区出身。
10代で吉本RandC(現 吉本ミュージック)にて業務委託のアーティスト兼クリエイターとして活動。
その後、20代前半でインターネットマーケティング会社を起業。以降、出版広告会社の代表も務め、30歳の時に東証1部上場企業へ事業譲渡。
事業譲渡後は、株式会社アカツキの新規事業開発室(LX事業部)にジョインし、エンターテイメントxテックを中心とした新規事業、各IPの立ち上げに携わる。
2018年に同社創業、代表取締役に就任。
創業から僅か5年でパーソナルジム「REAL WORKOUT」を国内外に100店舗展開している。
執筆トレーナー
新中野店オーナートレーナー
出口 雄策

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自分自身も学生時代に肥満で悩んでおり、筋トレと食事管理で30kg痩せることができました。
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■資格■
・JOPH ダイエットアドバイザー
・JCCA ベーシックインストラクター

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