筋トレ前後の睡眠を解説!眠いときにすぐ寝るのは問題ない?

公開日:2024/12/29 更新日:2024/12/29

❝寝不足での筋トレは良くない?❞
❝筋トレ後、一気に体がだるくなって眠くなってしまう❞
❝筋トレ後に眠くなっても我慢して寝ない方が良い?❞
筋トレと睡眠の関係性で、このようなお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?本記事では筋トレ前後の睡眠が体に与える影響や、最適な睡眠のタイミングについて解説します。睡眠に関する知識を深めて効率的に筋肉を成長させましょう。

筋トレと睡眠の関係

筋トレの効果を高めるのに睡眠は必要不可欠です。筋トレと睡眠の関係性を理解することで、より効果的な筋肥大やボディメイクを実現できます。具体的に解説していきます。

筋肉の修復

筋トレをすると筋肉に微細な損傷が起こります。この損傷が修復される過程において筋肉が成長するといわれています。 人の体は、昼間の活動で生じた様々な損傷に対して、夜間の睡眠時に「修復モード」に切り替わり、修復工事を行います。修復工事において体のエネルギーを集中的に使うには、深い睡眠が求められます。睡眠の中でも深い睡眠と呼ばれる「ノンレム睡眠」では、体内でのタンパク質合成が活発になり、筋肉の修復と成長が効率的に進められるといわれています。 

成長ホルモン分泌

 成長ホルモンは、筋肉を構成するタンパク質の合成を加速させて筋肉の修復と成長を促進します。また、体脂肪を分解してエネルギー源として利用する働きも持っており、結果的に体脂肪率の低下にも貢献します。さらに、骨の形成を促進して強い骨格づくりをサポートし、体全体の代謝も活性化させます。この成長ホルモンの分泌は、1日の中でも夜間の深い睡眠時に最も活発になります。24時間の総分泌量のうち、なんと約75%が夜間の睡眠中に集中しており、特に寝付いてから2~3時間の間に最も多く分泌されるといわれています。

疲労回復

筋トレ中、体内では様々な疲労物質が蓄積されます。代表的なものが乳酸です。これらの疲労物質は、睡眠中に処理されて疲労回復につながります。特に深い睡眠(ノンレム睡眠)の段階では、筋肉内の疲労物質の除去やグリコーゲン(エネルギー源)の補充が行われると同時に、炎症反応の制御や免疫系の強化も進み、体の回復が効率的に進められます。
また、睡眠は中枢神経系の疲労回復にも重要な役割を果たします。トレーニング中、私たちの脳は常に筋肉への指令を送り続けています。この過程で中枢神経系も大きな負荷を受けているため、、その回復には質の良い睡眠が欠かせません。もし中枢神経系の疲労が十分に回復していない状態でトレーニングを行うと、フォームが崩れやすくなったり、集中力や反応速度が低下する恐れがあります。

いかがでしょうか。このように筋トレと睡眠は密接な関係にあります。十分な睡眠が取れていない状態で筋トレを行うと、疲労物質が残っていたり、集中力の低下などによって怪我のリスクが高まります。また筋トレ後に十分な睡眠を取らないと、適切に筋肉が成長がしない恐れがあります。したがって、筋トレの効果を高めるには、筋トレ前後の良質な睡眠が必要不可欠なのです。

筋トレ後の眠気は普通?

「筋トレ後に急激な眠気が襲ってくる」という経験をしたことはありませんか?実はこれは、体が正常に反応している証拠なのです。したがって、筋トレ後の眠気は「普通」です。本章ではトレーニング後の眠気について、その仕組みと対処法を詳しく解説します。

筋トレ後に眠くなる理由

トレーニング後の眠気には、体の中で起こる複数の生理的な変化が関係しています。
まず、最も大きな要因は神経系の働きの変化です。トレーニング中は交感神経(興奮状態)が優位になっていますが、トレーニング後には副交感神経(リラックス状態)が活発になり、体温や心拍数に変化が生じます。この切り替わりによって、自然と眠気を感じやすくなるのです。
次に、エネルギー消費の影響があります。高強度の筋トレでは、体内に蓄えられているグリコーゲン(糖質のエネルギー)を大量に使用します。トレーニングによって消費された糖質を補うため、体は血中の糖分を筋肉に取り込もうとします。この過程で血糖値が一時的に低下し、眠気を感じやすくなることがあります。
また、トレーニング後には様々なホルモンの分泌バランスも変化します。運動中に分泌されていたアドレナリンなどの覚醒系ホルモンが減少し、代わりにセロトニンやメラトニンといった睡眠を促すホルモンが増加します。これらのホルモンの変化が、眠気の原因となることもあります。

筋トレ後に眠気を抑える方法

トレーニング後の眠気を効果的に抑えるためには、実はトレーニング前からの準備が重要です。
まず、トレーニング1時間~30分前のカフェイン摂取です。カフェインの効果は3~4時間ほど持続するため、トレーニング後の眠気予防にも効果的です。コーヒーや緑茶、カフェインサプリメントなど、自分に合った方法で摂取しましょう。
トレーニング中の糖分補給も眠気対策に効果的です。この場合、砂糖などの固形物は吸収に時間がかかり、胃に負担をかける可能性があるため、マルトデキストリン(MD)などの吸収の早い糖質を含むドリンクがおすすめです。スポーツドリンクを飲む場合も、MDを含む製品を選ぶと良いでしょう。
また、トレーニング後に5~10分程度の軽いストレッチを行うことも眠気対策の効果が期待できます。ストレッチを行うことで、急激な交感神経の低下を防ぎ、極端な眠気の抑制につながります。

筋トレ前後の睡眠

これまでの解説で筋トレの効果は睡眠が鍵を握っていることをおわかりいただけたと思いますが、睡眠のタイミングについても気になりますよね。本章では、筋トレ前後の睡眠の影響について解説します。

筋トレ前の睡眠はOK?

筋トレ前の睡眠について2パターンあると考えられます。1つは日々の睡眠で、もう1つは日中に寝不足を補うための仮眠です。
まず、30分以上の長時間の睡眠(仮眠)は注意が必要です。深い睡眠に入ってしまうと、寝起き後にだるさや頭の重さが生じやすくなり、トレーニングのパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。したがって、長時間の睡眠後は1時間〜2時間位時間を空けてからのトレーニングをおすすめします。一方で、筋トレ前に20~30分程度の短時間の仮眠を取る場合は、むしろパフォーマンスの向上に効果的です。この程度の睡眠では、浅い睡眠の段階で目覚めることができ、頭がすっきりした状態でトレーニングに臨むことができるからです。いずれにしても、筋トレ前には軽い運動やストレッチで体を覚醒させましょう。

筋トレ後にすぐ寝るのは問題ない?

前章で筋トレ後の眠気は普通のことであり、体が正常に反応している証拠だとお伝えしました。したがって、筋トレ後の眠気に応じて睡眠を取っても問題はありません。注意点としては、筋トレによって低血糖状態になっている可能性があります。低血糖は睡眠の質を低下させる恐れがありますので、寝る前に糖質を摂取しておくと良いでしょう。また睡眠時に筋肉の成長をより促すためにも、消化吸収の速いホエイプロテインなどを摂取しておくと効果的です。

睡眠不足が筋トレに与える悪影響

睡眠不足は思いがけない形でトレーニング効果を低下させ、時には危険を伴うこともあります。本章では、睡眠不足が筋トレに与える具体的な影響と、その対策について解説していきます。

筋力低下

睡眠不足状態でのトレーニングでは、通常の80~90%程度の筋力しか発揮できないことが研究で明らかになっています。 筋力低下が起こる主な理由は、神経系の機能低下です。筋力を発揮するためには、脳からの正確な信号が筋肉に伝わる必要がありますが、睡眠不足状態では、この神経伝達の効率が低下し、筋肉を適切にコントロールすることが難しくなります。

筋肥大の妨げ

睡眠不足は筋タンパク質の合成も阻害します。通常、筋タンパク質の合成は睡眠中に活発に行われますが、睡眠時間が不足すると、合成が十分に機能しません。その結果、トレーニングによる筋肥大効果が減少し、せっかくの努力が十分な成果につながらない可能性があります。

集中力やパフォーマンスの低下

睡眠不足は、脳の働きを鈍らせ、集中力や注意力の低下をもたらします。これらの低下は、トレーニングの質を大きく左右します。例えば、バーベルスクワットやデッドリフトなどの大きな負荷がかかる種目では、一瞬の判断の遅れが重大な事故につながります。このように、負荷が高く複雑な動きを必要とする種目ほど、怪我のリスクが高まる可能性があります。
また、睡眠不足状態では体温調節機能も低下します。これにより、ウォーミングアップに通常以上の時間がかかったり、トレーニング中に適切な体温上昇が行われない恐れがあります。

疲労回復の遅れ

前述したとおり、疲労物質は睡眠中に処理されて疲労回復につながりますが、睡眠不足だと疲労物質の処理が遅延します。また、炎症反応の処理もスムーズに行われず、筋肉痛が長引く恐れがあります。 

寝すぎは筋トレ効果に悪影響?

一般的に、理想的な睡眠時間としては7~8時間程度を推奨されることが多いですが、これ以上に睡眠であってもスッキリ目覚めている状態であれば問題ないでしょう。ただし、起床時にだるくなる位の長時間睡眠の場合は悪影響がある可能性がありますので注意してください。

質の良い睡眠のためのポイント

トレーニング効果を最大限に引き出すためには、質の良い睡眠が欠かせません。特に就寝前の過ごし方と、トレーニング後の食事タイミングは、睡眠の質に大きく影響します。本章では、快適な睡眠のための具体的なポイントをご紹介します。

就寝前のストレッチやリラックス

就寝前の適切なリラックスタイムは、質の良い睡眠への準備として重要です。特に筋トレを行った日は、体が興奮状態になっていることが多いため、意識的にリラックスすることが大切です。就寝1時間前からは、ゆっくりとしたストレッチを行うことをおすすめします。特に、その日トレーニングした部位を中心に、痛みを感じない程度の軽いストレッチを行うことで、筋肉の緊張がほぐれてリラックスした状態で眠りにつくことができるでしょう。
入浴のタイミングも重要です。就寝の1~2時間前の入浴が最適で、ぬるめのお湯(38-40度程度)に10~15分程度つかることで、自然な眠気を促すことができます。一方で熱すぎるお湯は逆効果となり、体が興奮してしまう可能性があるので避けた方が良いでしょう。

睡眠前の筋トレと食事

 前述したとおり、筋トレ後に眠気を伴う場合もいますが、筋トレによって交感神経が優位になり体が興奮状態になる場合もあります。このようなケースでは、質の良い睡眠の妨げとなるため、気になる人は就寝3時間以上前には筋トレを終えるようにしましょう。食事に関しても、就寝直前の食事は消化不良を引き起こし、睡眠の質を低下させる原因となり得るため、就寝2~3時間前までに最後の食事を済ませることが理想的です。どうしても睡眠前に食事を摂りたい場合、炭水化物は白米やうどん、タンパク質は半熟卵やプロテインパウダーなど消化の良い食材を選びましょう。

睡眠を味方にして筋トレ効果を最大化しよう!

筋トレと睡眠は、効果的なボディメイクには切っても切れない関係にあります。トレーニング後の眠気は自然な生理反応であり、適切なタイミングで休息を取ることで、トレーニング効果を高められます。睡眠を「休息」ではなく「成長の時間」と捉え、計画的なトレーニングライフを送りましょう。


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執筆監修者
株式会社WORKOUT
代表取締役 Co-founder & CEO
1985年5月24日生まれ、東京都港区出身。
10代で吉本RandC(現 吉本ミュージック)にて業務委託のアーティスト兼クリエイターとして活動。
その後、20代前半でインターネットマーケティング会社を起業。以降、出版広告会社の代表も務め、30歳の時に東証1部上場企業へ事業譲渡。
事業譲渡後は、株式会社アカツキの新規事業開発室(LX事業部)にジョインし、エンターテイメントxテックを中心とした新規事業、各IPの立ち上げに携わる。
2018年に同社創業、代表取締役に就任。
創業から僅か5年でパーソナルジム「REAL WORKOUT」を国内外に100店舗展開している。
執筆トレーナー
新中野店オーナートレーナー
出口 雄策

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自分自身も学生時代に肥満で悩んでおり、筋トレと食事管理で30kg痩せることができました。「頑張ってるけど痩せられない」「リバウンドしてしまった」「食べすぎてしまう」など

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■資格■
・JOPH ダイエットアドバイザー
・JCCA ベーシックインストラクター

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