筋トレが楽しくなると早く結果を出したくて毎日がんばりたくなる人も多いと思いますが、筋肉痛が少し残っていても筋トレして良いのでしょうか?
本記事ではこの疑問について深堀りしていきます。ぜひ最後までご覧ください。
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筋肉痛とは、筋トレやスポーツなどの運動後に感じる筋肉の痛みや不快感です。筋肉痛が出ている時は、筋肉が何らかのダメージを受けている状態であると考えられています。
しかし、実は筋肉痛の正確な発生原因は、医学的にまだ完全に解明されていないのです。
現時点では、運動によって傷ついた筋線維を修復しようとする過程で起こる痛みであるという説が有力となっています。
筋肉痛には、大きく分けて「即発性筋痛」と「遅発性筋痛」の2種類があります。それぞれの特徴や考えられる発生原因について詳しく見ていきましょう。
即発性筋痛)は、激しい運動をしている最中や運動直後に感じる筋肉の痛みです。この痛みは、筋肉を集中的に使うことで発生する疲労物質が原因で起こると考えられています。
運動中、筋肉は素早くエネルギーを必要とします。このエネルギーを供給するために、筋肉内で解糖系という代謝経路が活発に働きます。解糖系では、ブドウ糖からエネルギーを取り出す過程で乳酸などの疲労物質が生成されます。運動が長時間続くと、これらの疲労物質が筋肉内に蓄積し、筋肉の痛みを引き起こすと考えられています。
即発性筋痛は、運動を中止すると比較的速やかに回復し、通常は数時間から24時間以内に痛みは引いていくと言われています。
遅発性筋痛は、運動の12時間から48時間後に感じる筋肉の痛みです。この痛みは、普段使わない筋肉を使いすぎた場合など、運動によって傷ついた筋線維を修復しようとする過程で起こると考えられています。特に慣れていない運動や高強度の運動を行うと、筋線維に微細な損傷が生じます。
遅発性筋痛は、運動後12時間から48時間でピークに達し、その後数日から1週間かけて徐々に回復していきます。
なお、この痛みは、筋肉の適応や成長のサインでもあります。筋肉は、損傷を受けた後、より強く、より大きく成長しようとします。この現象を「超回復(ちょうかいふく)」と呼びます。適切な休養と栄養摂取を行うことで、超回復を促進し、筋肉の成長を最大化することができると言われています。
筋肉痛は、特定の種類の運動や動作を行った後に起こりやすいことが知られています。
筋肉痛が起きやすい運動は、主に筋肉の伸張性収縮(エキセントリック運動)が関与していると言われています。
ここでは、筋肉の収縮様式である、エキセントリック運動、コンセントリック運動、アイソメトリック運動について詳しく説明します。
エキセントリック運動は、筋肉が伸びながら力を発揮する運動です。重力に逆らって身体や重りを下ろしていくときの動作が、エキセントリック収縮(ネガティブ動作)にあたります。筋肉を伸ばすときのほうが、筋線維への負荷が大きくなるため、損傷が起きやすいと考えられています。
運動の中で、特に筋肉痛になりやすいと言われているのが、このエキセントリック運動です。例えば、スクワットの腰を落とす動きやベンチプレスのバーベルを降ろす動き、日常生活では、重い荷物を降ろす動作や階段を下りる動作などが該当します。
エキセントリック運動では、筋肉が伸張される際に、筋原線維に大きな負荷がかかり、微細な損傷が生じます。この損傷が、遅発性筋肉痛の主な原因であると考えられているのです。
コンセントリック運動は、筋肉が縮みながら力を発揮する運動です。重力に逆らって身体や重りを持ち上げるときの動作が、コンセントリック収縮(ポジティブ動作)にあたります。例えば、スクワットのの立ち上がりの動きやベンチプレスのバーベルを上げる動き、日常生活では、重い荷物を持ち上げる動作や、階段を上る動作が該当します。
コンセントリック運動は、エキセントリック運動と比較して、筋肉痛を起こしにくい運動です。この運動では、筋肉が短縮する際の筋原線維に対する負荷が比較的小さいため、筋肉の損傷が起こりにくいと考えられています。
アイソメトリック運動は、筋肉の長さを変えずに、一定の力で筋肉を収縮させる運動です。この運動では、関節の動きはほとんどありません。プランクのように、体を一定の位置に保持する動作がアイソメトリック運動にあたります。筋肉の長さが変化しないことから筋原線維に対する負荷も小さくなるため、筋肉痛を起こしにくいと言われています。また、関節への負担も少ないため、怪我のリスクが低いという特徴があります。
通常、筋肉痛は運動後24時間から48時間でピークに達し、その後数日かけて徐々に回復していきます。しかし、中には筋肉痛が4日以上続く場合もあります。
本章では、筋肉の超回復について説明し、筋肉痛が4日続いている場合の対処法について説明します。
筋トレを行うと、筋肉に微細な損傷が生じます。この損傷は、筋肉を成長させるために必要な刺激となります。筋肉は、損傷を受けた後の修復の過程で、以前よりも強く大きく成長します。この現象を「超回復」と呼びます。
筋肉の回復時間は部位ごとに異なります。個人差はありますが、一般的に以下のような目安があります。
超回復のサイクルを効果的に進めるためには、筋肉の回復時間を考慮して筋トレを行い、十分な栄養摂取と休養を取ることが重要です。
筋肉痛が4日以上続いている場合は、いくつかの可能性が考えられます。普段あまり使っていない筋肉を使った筋トレを行った場合、4日位は筋肉痛が続くことがありますが、これは、筋肉が適応するために時間がかかるためです。
筋肉痛が4日以上続く場合は、以下のような対処法を試してみましょう。
これらの対処法を試しても、筋肉痛が通常より長引いたり、痛みが強くなったりする場合は、注意が必要です。筋肉に小さな内出血が起きていたり、筋損傷が疑われたりする場合がありますので、念のため整形外科を受診し、適切な診断と治療を受けることをおすすめします。
筋肉痛が残っている状態で筋トレを行うことは、筋肉の回復や成長を妨げ、怪我のリスクを高める可能性があります。
本章では、筋肉痛が残っている状態で筋トレを行った場合に起こりうる懸念点について詳しく説明します。
筋肉痛が残っている状態は、筋肉の修復がまだ完了していないことを示しています。この状態で再び筋トレを行うと、筋肉に新たな損傷を与える可能性があり、その結果、筋肉の修復が遅れ、回復に必要な時間が長くなる恐れがあります。
筋肉の成長には、適切な刺激と回復のバランスが重要です。筋トレによって筋肉に適度な損傷を与え、その後の回復期間に筋肉を修復・成長させることが理想的です。しかし、筋肉痛が残っている状態で筋トレを行うと、このバランスが崩れてしまい、筋肉の成長が妨げられる可能性があると言われています。また、筋肉痛が残っている状態では、ホルモンバランスも乱れている可能性があります。筋肉の成長に重要な役割を果たすテストステロンや成長ホルモンの分泌が十分でない状態で筋トレを行うことで、効果的な筋肉の成長が見込めない恐れがあります。
筋肉痛は、筋肉や腱、靭帯などの組織が損傷を受けていることを示しています。この状態で無理に筋トレを行うと、これらの組織にさらなる負担がかかり、怪我のリスクを高めます。筋肉痛が残っている状態では、筋肉の柔軟性や神経の調整力も低下しています。この状態で高強度の運動を行うと、関節や靭帯に過度な負担がかかり、損傷を引き起こす恐れがあります。
怪我をしてしまうと、筋トレを長期間休まざるを得なくなります。その結果、筋力や筋肉量が低下し、トレーニングの進捗が大きく遅れてしまいます。怪我のリスクを最小限に抑えるためにも、筋肉痛が残っている状態では無理な筋トレを避け、十分な回復期間を取ることが重要です。
効果的な筋トレのためには、適切な強度と十分な回復期間のバランスが重要です。筋肉痛が完全に回復するまで待ち、徐々に運動強度を上げていくことで、安全で効果的な筋トレを継続することができるでしょう。以下の記事も参考にしてみてください。
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