マシンを使って筋トレをすると筋肉痛にならないのに、ダンベルを使ったトレーニングで筋肉痛になったのはなぜ?本記事では、マシントレーニングと、ダンベルやバーベルを使うフリーウェイトトレーニングでは、筋肥大の影響にどのような違いがあるのか?といった疑問についてわかりやすく解説します。マシンを使った筋トレのメリットやデメリットについても理解が深まりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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スポーツジムにはマシンが並んでいるマシンエリアとダンベルやパワーラックのあるフリーウエイトエリアに分かれていることが一般的です。両者のトレーニングはそれぞれどんな特徴があるのでしょうか?見ていきましょう。
マシントレーニングは、特定の筋肉群を狙って鍛えるために設計された固定式の器具を使用するトレーニング方法です。マシンは動きが制限されているため、初心者でも比較的安全に使用可能です。重量の調整が容易で、一定の動作パターンを維持しやすい点が特徴です。動きが固定されていることで、正しいフォームを維持しやすく、目的の筋肉に集中してトレーニングを行うことができます。
フリーウェイトトレーニングは、ダンベルやバーベルなどの自由に動かせる重り(ウェイト)を使用するトレーニング方法です。マシンと比べて動きの自由度が高く、より多くの筋肉群を同時に使用することができます。フリーウェイトの特徴として、バランス感覚や協働筋を鍛えられる点が挙げられます。
例えば、バーベルを使用したスクワットでは、主動筋である大腿四頭筋だけでなく、体幹や安定筋と呼ばれる小さな筋肉群も同時に働きます。
マシントレーニングは単一方向に重量を移動させることで特定の筋肉を重点的に鍛えることができる一方で、フリーウエイトトレーニングは動く方向が定まっていないため、バランスを取る必要があります。その結果、体幹をはじめとした複数の筋肉を鍛えることができます。
どちらのトレーニング方法も筋力強化に有効ですので、目的やレベルに応じて使い分けると良いでしょう。初心者や安全性を重視したい場合はマシントレーニング、複雑な動きを取り入れた全身の強化を目指す場合はフリーウェイトトレーニングが適しているといえるでしょう。
では、マシントレーニングとフリーウエイトトレーニングの違いで筋肥大への効果は異なるのでしょうか?気になるところですよね。こちらについては、研究論文が発表されていたので紹介します。
Free-Weight and Machine-Based Training Are Equally Effective on Strength and Hypertrophy: Challenging a Traditional Myth
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37535335/
この研究によると、男性38名をフリーウエイト群とマシン群の2群に分けて8週間の筋力トレーニングを実施した結果、どちらも筋力と筋肉量が増加し、それぞれでの差は無かったそうです。言い換えると、マシントレーニングでも十分な筋肥大の効果が見込まれるということです。
つまり、マシンのみの筋トレでも十分に効果はあるのです。
本章では、マシントレーニングのメリットとデメリットについて解説します。
マシントレーニングの最大の利点の一つは、その安全性です。動きが固定されているため、不適切なフォームによるケガのリスクが低くなります。特に、初心者や高齢者の方にとっては、この安全性は非常に重要です。
例えば、レッグプレスマシンを使用する場合、背中が固定されているため、スクワットのように腰を痛める危険性が低くなります。また、重りが落下してケガをする心配もなく、安心して高重量でのトレーニングに挑戦することができます。
マシンの中には、フリーウェイトでは鍛えにくい筋肉を効果的に刺激できるものがあります。フリーウェイトは重力の下方向にしか物理的な力がかかりませんが、マシンでは構造によって様々な負荷をかけることが可能です。
例えば、大腿四頭筋を集中的に鍛えるレッグエクステンションや、ハムストリングスを鍛えるレッグカールなどは、マシンならではのトレーニングといえます。また、ケーブルマシンを使用することで、フリーウェイトでは難しい角度から筋肉に負荷をかけることも可能になります。
マシンを使用することで、特定の筋肉群を集中的に鍛えることができ、バランスの取れた筋肉の発達を促進することができるのです。
マシンは軌道が決まっているため正しいフォームを維持しやすいというメリットもあります。これは、特に初心者にとって重要で、正しいフォームを学び筋肉への適切な負荷のかけ方を理解するのに役立ちます。また、マシンを使用することで、フリーウェイトでは難しい「ネガティブ(エキセントリック)」動作を安全に行うことができます。
ネガティブ動作は筋肥大に効果的だとされており、マシンを使用することでこの動作を安全に取り入れることができるでしょう。
マシンは大きさが軌道やが決まっていることで自由度が限られてしまい、人によっては自分の骨格や身長に合わない場合があります。特に、海外製のマシンは日本人の体格に合わないことがあり、小柄な女性にとっては使いづらいケースが発生します。体格に合っていない状態でトレーニングを続けると、トレーニング効果を感じにくいばかりか、長期的には不自然な動きによる関節への負担増加にもつながる可能性もあるので注意しましょう。
マシンは特定の筋肉群を集中的に鍛えるように設計されていますが、逆にいうと他の筋肉群の関与を制限することになります。多くのマシントレーニングは座位で行うため、メインで鍛える部位以外の筋肉、特に体幹や下半身の筋肉が十分に刺激されません。この点は、スクワットとレッグプレスの違いを見るとよく分かります。フリーウェイトのスクワットでは、大腿四頭筋や大臀筋だけでなく、体幹の筋肉や上半身の安定筋も同時に働きます。
一方、レッグプレスマシンでは、主に下半身の筋肉のみが働き、体幹や上半身の関与は最小限に抑えられます。したがって一度に複数箇所の筋肉を鍛えたい人にとってはデメリットといえるでしょう。
多くのマシンは使用者の体を固定するデザインになっているため、目的の筋肉に集中して負荷をかけることができますが、体幹の筋力を十分に向上させることが難しいといえるでしょう。
例えば、マシンでのチェストプレスは、フリーウェイトでのベンチプレスと比べて体幹の安定性をほとんど必要としません。これは、大胸筋を集中して効果的に鍛えられるメリットがある一方で、体幹が鍛えられにくいというデメリットがあります。
これらのデメリットを克服するためには、マシンとフリーウェイトを適切に組み合わせたバランスの取れたトレーニングプログラムを構築することが重要です。個人の目的、体力レベル、そして身体的特徴に合わせてそれぞれの特徴を活かしたトレーニング方法を選択することが、効果的な筋力トレの鍵となります。
マシンのみを使用したトレーニングでも、複数のマシンを活用することで全身の筋肉をまんべんなく鍛えることが可能です。本章では、主要な筋群を網羅したマシンのみのトレーニングメニューを紹介します。トレーニングの順序は、大きい筋肉から小さい筋肉の順で鍛えていくと効果的だといわれています。
レッグプレスマシンは、下半身の大きな筋群を鍛えることができるトレーニングです。
初心者は8-12回を3セット行うことをおすすめします。慣れてきたら、徐々に重量を増やしていきましょう。背中が座席から離れないよう注意し、腰を痛めないようにしましょう。
アブダクショマシンは、脚を外側に開くことで中殿筋と小殿筋を鍛えることができます
15-20回を3セット行うことをおすすめします。腰が動かないよう注意し、脚の外側の筋肉を意識して動かしましょう。
アダクションマシンは、脚を内側に閉じることで内転筋を鍛えます。
15-20回を3セット行うことをおすすめします。アブダクションと同様に、動作の最後でしっかりと筋肉を収縮させることを意識しましょう。
ラットプルダウンは、背中の筋肉、特に広背筋を効果的に鍛えるトレーニングです。
10-12回を3セット行うことをおすすめします。背中の筋肉を意識して、腕ではなく肩甲骨を動かすイメージで行いましょう。
チェストプレスは、大胸筋を鍛えるトレーニングです。三角筋前部と上腕三頭筋にも刺激を与える事が可能です。
8-12回を3セット行うことをおすすめします。動作を通して胸を張り、最後でしっかりと収縮させましょう。
ショルダープレスは、主に肩の筋肉と補助筋として上腕三頭筋を鍛えるトレーニングです。
8-12回を3セット行うことをおすすめします。肩の筋肉を意識して、背中を反らせすぎないように注意しましょう。
アブドミナルクランチマシンは、腹直筋を効果的に鍛えるトレーニングです。
15-20回を3セット行うことをおすすめします。呼吸を意識し、顎を引き背中を丸めて腹部をしっかりと収縮させることを心がけましょう。
いかがでしたか。マシントレーニングには安全性や特定の筋肉を集中的に鍛えられるメリットがある一方で、自由度の低さや体幹が鍛えにくいデメリットもあることをおわかりいただけと思います。
マシンとフリーウェイトを適切に組み合わせ、個人の目的や体力に合わせたバランスの取れたトレーニングプログラムを構築して効率的なトレーニングを行っていきましょう。
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