有酸素運動のやりすぎは逆効果?

公開日:2025/02/23 更新日:2025/02/24

有酸素運動は、脂肪燃焼や心肺機能の向上など、健康に多くのメリットをもたらすトレーニング方法として知られています。しかし、やりすぎると逆効果になることをご存じですか?過度な有酸素運動は、筋肉の分解や疲労の蓄積、さらにはホルモンバランスの乱れを引き起こし、かえって体に負担をかけることがあります。
本記事では、有酸素運動の適切な頻度や量を解説し、効果を最大化しながら体に無理なく取り組むためのポイントをご紹介します。正しい運動習慣で健康を手に入れましょう!

有酸素運動のメリットと長時間行う場合のデメリット

有酸素運動は、ウォーキングやジョギング、水泳など、比較的低~中強度で長時間継続できる運動を指します。このようなトレーニングには、健康増進やダイエットに効果的なメリットがある一方で、やりすぎると思わぬデメリットを引き起こす可能性もあります。
本章ではまず、有酸素運動のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。

メリット

有酸素運動を定期的に行うことによる主な3つのメリットについて解説します。

①心肺機能や持久力の向上

有酸素運動は、心臓と肺の機能を向上させます。継続することで、心臓が一回の拍動で送り出せる血液量(一回拍出量)が増加し、より効率的に全身に酸素を届けられるようになるのです。その結果、日常生活やトレーニング時の疲れにくさが実感できるようになるはずです。
また、有酸素運動は毛細血管の発達を促進します。毛細血管が増えることで、筋肉への酸素供給が改善され、運動時の持久力が向上するのです。定期的なトレーニングを継続することで、階段での息切れが減少したり、長時間の歩行でも疲れにくくなったりといった変化を実感できるようになるでしょう。

②脂肪燃焼

有酸素運動による大きなメリットの一つが脂肪燃焼効果です。有酸素運動による脂肪燃焼は、運動開始後20分程度から本格的に始まるといわれています。これは、体が最初にグリコーゲン(糖質)をエネルギー源として使用し、その後脂肪の分解へと徐々にシフトするためです。中強度(会話をしながら運動できる程度)の有酸素運動では、カロリー消費が脂肪由来になる割合が高まり、理想的な脂肪燃焼ゾーンと言われています。また、運動後も基礎代謝が一時的に上昇する「アフターバーン効果」により、運動終了後も脂肪燃焼が継続します。ただし、この効果は低強度の有酸素運動では期待できないため、ある程度の運動強度が必要になります。

③ストレス発散

低~中強度の有酸素運動は、副交感神経活動を促進し、リラクゼーション効果を高め心理的な安定をもたらすといわれています。特に屋外での運動は、太陽光を浴びることでビタミンDの生成も促進され、さらなる気分改善効果が期待できるでしょう。

デメリット

有酸素運動には多くのメリットがある一方で、やりすぎると様々な問題を引き起こす可能性があります。特に「できるだけ早く効果をだしたい」という思いから、適切な範囲を超えてしまうことも。
過度な有酸素運動によって起こりうる主な3つのデメリットについて解説します。

①ケガのリスク

長時間の有酸素運動は、関節や腱への負担が蓄積していきます。特にランニングでは、体重の3~4倍もの衝撃が膝にかかるといわれています。この衝撃が繰り返されることで、膝関節の軟骨摩耗や、腱の炎症(腱炎)などを引き起こす可能性があるのです。また、疲労が蓄積した状態での運動は、フォームが崩れやすくなり、思わぬケガにつながることがあります。特に初心者の方は、徐々に運動時間を増やしていくことをおすすめします。

②老化の促進

過度な有酸素運動は、体内での活性酸素の産生を増加させるといわれています。活性酸素は、細胞を酸化させる作用があり、肌の老化を促進する要因となります。また、長時間の運動はストレスホルモンであるコルチゾールの分泌を増加させます。コルチゾールの過剰分泌は、コラーゲンの生成を抑制し、肌のハリや弾力の低下を引き起こす可能性があるので注意が必要です。

③筋肉量の減少

長時間の有酸素運動では、体が必要なエネルギーを得るために筋タンパク質の分解(カタボリック)のリスクが高まります。これは、体が脂肪だけでなく筋肉も分解してエネルギー源として使用するためです。特に、食事制限による体内の糖質や脂質が不足した状態での過度な有酸素運動は、筋肉量の減少を加速させる可能性があります。筋肉量が減少すると基礎代謝が低下し、かえって脂肪が燃焼しにくい体質になってしまうのです。このため、有酸素運動は適切な時間内で行い、十分な栄養補給を心がけることが重要です。

有酸素運動はどのくらいやればいい?

「より長く運動すれば、それだけ痩せやすくなる」と考えがちですが、実はそうとは限りません。上記で説明したように、長時間の有酸素運動は筋肉の分解を促進し、かえって代謝の低下を招く可能性があります。効果的な脂肪燃焼のためには、適切な時間設定が重要なのです。
理想的な有酸素運動の時間は、30~45分程度だといわれています。この時間帯であれば、脂肪燃焼効果を最大限に引き出しながら、筋肉量の維持も可能です。ただし、いきなりこの時間から始めるのではなく、運動に慣れていない方は15~20分程度からスタートし、徐々に時間を延ばしていくことをおすすめします。また、運動中は「会話ができる程度」の中強度を維持することで、効率的に脂肪を燃焼させることができます。
息が上がりすぎて会話が困難な状態は、運動強度が高すぎるサインです。このような強度の調整と適切な時間設定により、コルチゾールの過剰な上昇や筋肉の分解を防ぎながら、理想的な脂肪燃焼が可能になるでしょう。

有酸素運動で筋肉量が減少する理由

前章でも少し触れましたが、筋肉量の減少は「カタボリック」と呼ばれる状態が主な原因です。本章ではカタボリックについて詳しく解説します。

カタボリック(筋分解)とは

カタボリックとは、体内でタンパク質(主に筋肉)が分解される状態を指します。反対に、タンパク質が合成される状態は「アナボリック」と呼ばれます。私たちの体では、この2つの状態が常にバランスを取りながら、筋肉量が維持されています。通常の運動では、一時的に筋肉の分解が起こっても、その後の休息と適切な栄養摂取によって筋肉が増加します。これは、運動による刺激で筋タンパク質の合成が促進されるためです。

長時間トレーニングによるカタボリック

有酸素運動を長時間(目安として1時間ほど)継続すると、体内でコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌が増加します。 
コルチゾールには、筋タンパク質の分解を促進する作用があり、1時間を超えるような有酸素運動では、以下のような変化が順番に起こる可能性があります。

  1. 血中コルチゾール濃度が運動開始時より上昇する
  2. 筋タンパク質の分解が合成を上回る
  3. 体が筋肉をエネルギー源として使用し始める

特に空腹状態での長時間の運動は、この傾向をさらに強めます。体内のグリコーゲン(糖質)が枯渇すると、脂肪だけでなく筋肉も積極的にエネルギー源として使用されるようになるためです。個人の体力や栄養状態によりますが、長時間の有酸素運動を継続すると基礎代謝の低下や怪我のリスク増加など、前章で説明したデメリットがさらに顕著になるため注意が必要です。

ダイエット目的に効果のある有酸素運動の取り入れ方

ここまで、有酸素運動の効果やリスクについて解説してきました。では実際に、どのようにトレーニングを組み立てれば良いのでしょうか。これまでの説明を踏まえた上で、ダイエット目的に効果のある有酸素運動プログラムの作り方をご紹介します。

有酸素運動と筋トレのバランス

効果的なダイエットには、有酸素運動と筋トレの両方が必要です。筋トレは基礎代謝を向上させ、有酸素運動は脂肪燃焼を促進してくれます。両者を組み合わせることで相乗効果も期待できます。
具体的なプログラムとしては、有酸素運動:筋トレの割合を2:1くらいにすることをおすすめします。これにより、先ほど説明したカタボリック状態を防ぎながら、効果的な脂肪燃焼が可能になるでしょう。 
有酸素運動のみを行う場合は筋肉量の減少による代謝低下が、筋トレのみでは脂肪燃焼や心肺機能の向上が限定的となってしまいます。それぞれの長所と短所を理解した上でバランスよく取り入れましょう。

トレーニングの順番

同日に両方のトレーニングを行う場合、その順番は非常に重要です。最も効果的な順序は、まずウォーミングアップから始め、続いて筋トレ、その後に有酸素運動を行い、最後にクールダウンで締めくくるというものです。
筋トレを先に行うことで、グリコーゲン(糖質)が優先的に使用され、その後の有酸素運動では、すでに糖質が使われているため、より効率的に脂肪を燃焼することができるといわれています。
例えば、1時間ほどトレーニングする場合は、ウォーミングアップを5~10分、筋トレを30~40分、有酸素運動を20~30分、クールダウンを5~10分を目安とすると良いでしょう。

時間ではなく「質」を意識しよう!

有酸素運動は、効果的なダイエット方法である一方で、やりすぎは逆効果となる可能性があります。
大切なのは、運動の「量」ではなく「質」です。有酸素運動と筋力トレーニングをバランス良く組み合わせることで、筋肉を維持しながら効率的な脂肪燃焼が可能になります。
焦らず、自分のペースで継続しましょう。


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執筆監修者
株式会社WORKOUT
代表取締役 Co-founder & CEO
1985年5月24日生まれ、東京都港区出身。
10代で吉本RandC(現 吉本ミュージック)にて業務委託のアーティスト兼クリエイターとして活動。
その後、20代前半でインターネットマーケティング会社を起業。以降、出版広告会社の代表も務め、30歳の時に東証1部上場企業へ事業譲渡。
事業譲渡後は、株式会社アカツキの新規事業開発室(LX事業部)にジョインし、エンターテイメントxテックを中心とした新規事業、各IPの立ち上げに携わる。
2018年に同社創業、代表取締役に就任。
創業から僅か5年でパーソナルジム「REAL WORKOUT」を国内外に100店舗展開している。
執筆トレーナー
新中野店オーナートレーナー
出口 雄策

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自分自身も学生時代に肥満で悩んでおり、筋トレと食事管理で30kg痩せることができました。
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くびれ作りや、逆三角形体型、ヒップアップをしたい等のボディメイクも得意としております!

■資格■
・JOPH ダイエットアドバイザー
・JCCA ベーシックインストラクター

出口雄策のインタビュー記事→