昨今はコロナ禍を経て以前より健康志向の方が増えていることで、トレーナーがマンツーマンで指導してくれるパーソナルジムの需要はどんどん増えています。現在パーソナルトレーナーとして活躍されている方の中には、将来の独立を目指したパーソナルジム経営に関心がある方も多いと思います。
しかし、ネット検索で「パーソナルジムの経営は失敗しやすい」といったキーワードが出てくると不安になりますよね。
本記事では「経営に失敗しやすいパーソナルジムの特徴」について解説。後半にはパーソナルジム経営の年収事例もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
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まず、経営に失敗しやすいパーソナルジムの特徴について見ていきましょう。ここでは「集客」と「継続率」というパーソナルジム経営において最も重要といえる2項目に焦点を当てて、それぞれ失敗に至る手前に現れる黄信号となる「悪循環に陥る特徴」について考えてみます。
言わずもがなですが、パーソナルジム経営は利用客がいなければ成り立ちません。パーソナルジム経営に集客は必要不可欠です。集客力を高めることで、売上を伸ばすことができます。
現代はインターネットがなかった時代に比べて、集客手段は多岐にわたり、オンラインからオフラインまで幅広い選択肢が存在します。以下にそれぞれの集客手段を10例ずつご紹介します。
もちろん上記以外にも集客方法は無数にあります。現代において集客方法は無限に存在します。とはいえ、集客手段は1つ1つそれぞれメリット・デメリットが大きく異なるため、地域性やターゲットに合わせて、選択することが重要です。
一方で、集客ができていない店舗は、特定の集客手段に固執している傾向があるように思います。集客手段を自分の得意・不得意で選択してしまっていませんか?自分の得意・不得意で選択した集客手段が本来その店舗に必要な内容とずれてしまっていれば本末転倒です。優先順位が逆になってしまっているのです。誤った優先順位の選択をしてしまう人は、普段からさまざまな意思決定において自分本位な選択をしている可能性があります。その選択の習慣は、経営の悪循環を招きやすいので注意が必要です。
がんばって集客を成功させて会員が増えても、継続率が悪いと常に新規集客をがんばらなければならず、ずっと大変な状況が続くことになります。せっかく入会していただいた会員さんにはできるだけ長く継続していただいて会員数を安定維持させたいですよね。
パーソナルジムの継続率が悪い理由として、利用者は「高い会費を払い続けるのが難しいから」「ある程度の成果が出たから」といった気を遣った退会理由を挙げてくださるケースが多いと思いますが、それを鵜呑みにするのは危険です。本音として「費用対効果を感じられなかった」というメッセージが隠されていると捉えた方が良いでしょう。
費用対効果の「効果」については、自分の理想の指導ではないといったことやトレーナーとの相性、店舗内の居心地の悪さなど、人によって感じ方はさまざまです。表面的な体裁の良い退会理由を鵜呑みにして何も改善しなければ、継続率はどんどん下がって悪循環に陥りやすくなるでしょう。
パーソナルジム経営は専門資格等が必要ありませんので、比較的参入しやすい業種といえるでしょう。だからこそ、パーソナルジム経営において「集客」と「継続率」を意識することは非常に重要です。
この章では、この2つを成功させるための3つのコツについて説明します。
どのような経営においても「差別化が重要」と当然のごとく言われますが、パーソナルジム経営においても例外ではありません。ただし、場当たり的な価格戦略などの差別化戦略では、継続的な安定は望めません。継続的な安定につなげるためには、本質的な差別化、すなわち自店の「強み」を作ることが重要です。
競合店舗に負けない強みを見つけましょう。もしなかなか思いつかない場合は「掛け算の法則」がおすすめです。自店の強みをいくつも書き出して、最終的に3つ位に絞ってかけ合わせてみてください。例えば、エリア×◯◯資格×姿勢改善、エリア×マッチョ×◯◯大会優勝のトレーナー、エリア×女性トレーナー×ダイエット専門といったイメージです。このような掛け算にすると、他店とかぶらない強みが見つかりやすいはずです。「なんでもできる」は誰にも刺さりません。
自店の強みが定まったら、次は自店のファンづくりです。自店のファンになってもらうためには、お店の強みの他に、利用者とパーソナルトレーナーとの信頼関係が重要です。信頼関係の構築においては、①ホスピタリティ
②親近感
③尊敬心
の3つが重要だと言えます。
①ホスピタリティは「思いやり」や「心からのおもてなし」といった意味を持つ言葉です。思いやりをもって、常に相手の立場に立った言動・行動は、接客業においてマストです。パーソナルジムにおいては、密室空間でのマンツーマンによるサービス提供になる訳ですから、なおさら重要になります。ホスピタリティ精神なくしてファンは生まれません。
②親近感は、そのお店に通いやすいと思っていただいたり、早くまたお店に行きたいと思っていただけるような関係性を築けられることが理想です。そのためには話しやすい雰囲気や共通点を見つけて話題にすることでより高まっていくはずです。
③尊敬心は、専門知識性や指導内容によって効果が現れることはもちろん、やはり人間性が重要だと言えるでしょう。尊敬してもらえる人になるにはどうすれば良いか?自分自身が尊敬できる人の「人となり」を見習って自己改善してみましょう。
開業を考えているパーソナルトレーナーの中には、パーソナルトレーニングは得意だけれども、パーソナルジム経営として必要なマーケティング戦略の構築やブランディングが苦手な人も多いと思います。
また、またパーソナルトレーナーを雇用して運営する場合は、採用ノウハウが重要になってきます。このような経営や採用に不安を感じる場合は「フランチャイズ加盟」という選択肢を考えてみるのも良いと思います。次の章では、フランチャイズの概要や加盟によるメリット・デメリットについてご紹介します。
フランチャイズとは加盟店が本部のブランドや本部の有する商標や販売・経営ノウハウ、経営システムの利用の対価として、ロイヤリティという「加盟店料」を支払う仕組みです。事業経験がなくても比較的容易に開業できるメリットがありますが、もちろんデメリットもあります。この章では、フランチャイズ加盟に関するメリット・デメリットについて説明します。
前章でも説明しましたが、パーソナルジムを開業して自分がオーナー兼パーソナルトレーナーとして活躍したいという人の中には、パーソナルトレーニングは得意なものの経営には自信がない人も多いと思います。フランチャイズに加盟すると、パーソナルジムの経営に必要な開業方法、集客方法、経営方法などのノウハウをフランチャイズ本部から提供を受けることができるので、経営のリスクを軽減させることができます。フランチャイズを展開させている本部は経営のプロです。フランチャイズ加盟することで、プロから経営や集客についてアドバイスを受けることができます。このように、フランチャイズ加盟は、経営の素人が1人で経営を行うよりも、はるかに経営リスクの軽減につながるといえるでしょう。
ブランドとは簡単にいうと、そのパーソナルジムの「屋号」です。
ブランド力とは、例えば「RIZAP(ライザップ)」と聞けば、「結果にコミットする」というCMを思い浮かべる人も多いと思います。いわば、名前を聞くだけでどんな商品を提供しているのかがイメージできればできるほど「ブランド力がある」といえます。
とはいえ、パーソナルジムはお客様とのマンツーマンサービスのため、お客様のパーソナルジム選びにおいては、ブランド力よりも自分が行きたい店舗のトレーナーの強みで判断されるケースの方が多いかもしれません。
一方で、ブランド力を活用できるシーンが「人材の採用」です。求人募集を選ぶ際に、やはり聞いたことがない名前よりも聞いたことがある名前だったり、規模感が大きければ大きいほど安心感が高まる人が多いと思います。昨今ではパーソナルジムの人気に伴い、パーソナルトレーナーは売り手市場です。このような状況において採用においてブランド力は大きな強みとなるはずです。
これまでの説明にもあるとおり、フランチャイズに加盟すると、本部に対して毎月ロイヤリティを支払う義務が発生します。これは、フランチャイズ加盟しなければ発生しない費用です。
繰り返しになりますが、フランチャイズに加盟した方が良いケースは、経営や採用に自信がなかったり、経営ノウハウをもっていない場合です。経営ノウハウが無い状態で経営をはじめると、軌道に乗るまでの期間が長くなる可能性が高まります。万が一軌道に乗らずに困ってしまい、お金を払って経営コンサルタントに相談したり、外部のサポートに頼ることになるのであれば、最初からロイヤリティーを払ってフランチャイズに加盟した方が安く済むという結論になる場合もあります。そのため、ロイヤリティがデメリットになるかどうかは経営者の経験値やセンスによって左右されるといえるでしょう。
フランチャイズ経営では、フランチャイズ本部が定めるルールや方針に沿ったマニュアル準拠が求められるため、運営の自由度が低くなります。例えば、店舗の外装や内装、提供サービスの価格帯、営業時間といった制限が設けられることが一般的です。このように、フランチャイズ本部によって許容範囲は異なるものの、基本的には加盟店の裁量は制限されます。このように個性や独自性を出すことが難しくなる点がデメリットといえます。
ここからは、パーソナルジム経営の年商・年収事例について説明します。
年商とは、個人や企業が1年間で獲得した売上全体の金額を指します。そして月商は1ヶ月の売上です。 パーソナルジム経営においては、会費がメインの売上となります。
例えば、会費が月額4万円、会員が25名いる場合、月間で100万円の売上となり、年商1,200万円になります。
年収は、年商から家賃や人件費などの経費を差し引いた金額です。
経費の一例をご紹介します。
家賃 | 150,000円 |
水道光熱費 | 30,000円 |
通信費 | 10,000円 |
広告費 | 50,000円 |
雑費 | 10,000円 |
合計 | 250,000円 |
ご自身がパーソナルトレーナーとなって運営する場合は人件費がかかりませんが、雇用する場合は上記に人件費がプラスされます。
ここでは人件費は入れずに、先ほどの月商100万に対して経費25万円とすると、月収は75万円です。ただし、内税の場合はこの月収のうち、ざっくり10%を消費税としての納税義務が発生すると考えると良いでしょう。一旦、消費税を外税で考えると、月収75万円×12ヶ月で、年収は900万円になります。
もちろんこれはパーソナルジム経営における成功事例の一例に過ぎません。
これまで説明してきておわかりだと思いますが、経営とは決して簡単なものではありませんので安易に捉えないようにしましょう。
パーソナルトレーナーの年収に関しては、下記記事でも紹介していますので、ご覧ください。
ここまで年商や年収など、実際にパーソナルジム開業後の費用について説明をしてきましたが、開業時には「物件取得費」「内装費」「設備費」などの初期費用も必要です。こちらは500万〜800万円位では想定しておくと良いでしょう。
パーソナルジムの開業については、下記記事で詳しく説明していますので、ご覧ください。
本記事では、パーソナルジム経営の失敗し易い特徴や軌道に乗せるためのコツ、フランチャイズ加盟のメリット・デメリットなどについて解説しました。
結論からいうと、パーソナルジム経営に興味があるものの経営に自信をもてない場合はフランチャイ加盟をおすすめします。フランチャイズに加盟すれば、初めての経営でも手厚いサポートを受けたり、相談しながら開業を実現できます。パーソナルトレーニングと同じように、経営もプロに寄り添ってもらいながら進めることで余計なリスクを回避できるはずです。
リアルワークアウトでも独立開業をサポートするフランチャイズ制度を設けています。リアルワークアウトのフランチャイズ制度でもルールやマニュアルに則った運営が求められますが、トレーニングの指導方法については、トレーナーの持ち味を活かしやすい仕組みになっています。
興味のある方は気軽にこちらのフォームからお問い合わせください。