パーソナルトレーニングにおいて食事管理は必要不可欠です。 これは、パーソナルトレーニングに関わらず、筋トレ全般に言えることです。
本記事では、トレーニングと食事の関係性についてわかりやすく説明します。後半では「パーソナルトレーナーがおすすめする朝・昼・夜の食事メニュー例」や「小腹が空いた時のメニュー例」についてもご紹介!ぜひ最後までご覧ください。
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筋肉とタンパク質は、密接な関係にあります。特に筋トレを行う人にとって、タンパク質の摂取は重要です。
まずはタンパク質について詳しく解説します。
タンパク質は、筋肉をはじめとする体の材料となったり、体の機能を維持するために不可欠な栄養素です。人間の体の成分の約6割は水分、約2割はタンパク質でできています(残りは脂肪やミネラル)。髪の毛も爪も皮膚も内臓もほぼタンパク質でできており、なかでも筋肉の成分は水分を除くと約8割がタンパク質です。つまり、タンパク質は食事管理によって筋トレ効果を向上したい人にとっては重視すべき栄養素と言えるでしょう。
タンパク質は生命活動のほぼすべてのプロセスに関与してますが、ここでは主な働きを3つ紹介します。
上記のようにタンパク質は筋肉の材料になるため、筋トレによって損傷した筋肉を修復し、新しい筋肉を合成してくれます。
特に筋トレ後に適切な量のタンパク質を摂取することで筋肉合成が促進されると言われています。
タンパク質はエネルギー源にもなります。エネルギー源になる栄養素は、炭水化物・タンパク質・脂質の3つです。炭水化物が優先的に使われますが、炭水化物が不足するとタンパク質や脂質が使われます。
免疫力とは、体に病原菌やウイルスが侵入しないように、自己防衛する機能のことです。
タンパク質は、免疫細胞の材料でもあり、免疫器官である小腸のエネルギー源でもあります。また、タンパク質を摂ると体温が上昇する点でも免疫力を高めると言われています。
ここからはタンパク質の理解に欠かせないアミノ酸について解説します。
アミノ酸は、タンパク質の構成要素である小さな分子です。アミノ酸は窒素、炭素、水素、酸素を含む複合化合物であり、20種類で構成されています。これら20種類のアミノ酸が結合してタンパク質が形成されます。タンパク質を構成するアミノ酸の種類は食品によって異なるため、タンパク質を評価する指標として「アミノ酸スコア」が使われます。
また、人や動物が体内で作ることのできない9種類を「必須アミノ酸」、体内で糖質や脂質から作り出すことのできる11種類を「非必須アミノ酸」と呼ばれてます。
前述の通り、アミノ酸の中でも、体内で生成されないために食事から摂取する必要があるアミノ酸を「必須アミノ酸」または「EAA(Essential Amino Acids)」と呼びます。サプリメントでよく目にするEAAとはこの必須アミノ酸のことです。この必須アミノ酸は、特に筋肉の合成と修復において重要な役割を果たします。
体内で必須アミノ酸が不足すると、タンパク質の合成プロセスが妨げられ、筋肉の成長や修復が適切に行われない可能性があります。
タンパク質やアミノ酸も大切ですが、筋トレやダイエット効果には「カロリーコントロール」が必要不可欠です。
摂取カロリーと消費カロリーについても理解を深めておきましょう。
摂取カロリーとは食事から摂取するカロリーです。
エネルギー源となる三大栄養素の炭水化物・タンパク質・脂質で構成されており、それぞれ1gあたりのカロリーは炭水化物が4kcal、タンパク質が4kcal、脂質が9kcalで食事に含まれる量の合計がカロリーとなります。
炭水化物やタンパク質と比較して脂質のカロリーが高いですよね。脂質が多い揚げ物などのカロリーが高くなるのはこのためです。
摂取カロリーはバランスが重要です。摂取カロリーが不足すると、体は十分なエネルギーを得られず、筋トレのパフォーマンスが低下する可能性があります。また、筋肉合成にも必要なエネルギーが不足するため、筋肉の成長や修復が遅れることもあります。したがって、摂取カロリーは日々の活動量や筋トレの強度に合わせて調整する必要があります。
摂取カロリーは個人の目標に応じて異なります。筋肉を増やしたい場合、カロリーオーバー(摂取カロリー>消費カロリー)を意識することが重要です。
ただし、過度なカロリーオーバーは脂肪増加につながる可能性があるため、適切なカロリーバランスを保つことが大切です。
消費カロリーは、日々の活動やトレーニングによって使われるエネルギー量を指します。
筋トレを行う際には、トレーニング自体のエネルギー消費だけでなく、基礎代謝や日常の活動によるエネルギー消費も考慮する必要があります。
消費カロリーは性別・年齢・体型・筋肉量・日常の活動量などの要素によって人それぞれ異なります。自分の消費カロリーを正しく把握することで、適切な摂取カロリーも算出できるようになるためこちらのようなサイトで一度調べておくことをおすすめします。
カロリー収支とは、摂取カロリーと消費カロリーのバランスを意味します。
筋肥大が目的の場合は、摂取カロリー>消費カロリーにし、ダイエットが目的の場合は、消費カロリー>摂取カロリーにすることが大原則です。
ただし、無計画や無理なカロリー収支を継続することは避けたほうがいいでしょう。適切なカロリー収支を確保することが、筋トレと食事の関係性を最適化する鍵となります。
ここからはパーソナルトレーナーがお勧めしている食事メニューについて解説します。
※カロリーと栄養素の量は目安です。(カロリー参考 https://calorie.slism.jp/)
朝はエネルギーが枯渇しているので、簡単に作れるバランスのとれたメニューを心がけましょう。
・玄米ごはん 1膳(約160g)・・・ 244kcal ・納豆 1パック(50g)・・・92kcal ・めかぶ 1パック(50g)・・・7kcal ・ゆで卵・・・1個(50g)・・・67kcal ・豆腐とわかめのみそ汁1杯(204g)・・・53kcal 合計 463kcal |
白米ではなく、食物繊維豊富で食べごたえもある玄米を使うのがポイントです。
お昼は簡単に満腹感の得られるカツオのたたき丼をご紹介。薄切りにして漬けダレにつけてご飯に乗せるだけであっという間に完成です。
・カツオのたたき(6切れ程度106g)・・・111kcal ・ごはん 1膳(約160g)・・・ 250kcal ・しじみのみそ汁1杯(185g)・・・35kcal 合計 396kcal |
カツオのたたきは低脂肪高タンパクなので筋トレ後の食事や、ダイエット中の食事にも向いています。
1日のごほうびについつい食べすぎてしまいやすい夕食には、「低糖質カロリーオフカレー」がおすすめです。
・カロリーオフジャワカレー(1皿分20.8g)・・・112kcal ・皮無し鶏胸肉(100g)・・・105kcal ・ブロッコリー(M1個125g)・・・46kcal ・ぶなしめじ(小1パック90g)・・・23kcal ・ごはん 1膳(約160g)・・・ 250kcal 合計 536kcal |
具材に鶏胸肉を入れてタンパク質を確保し、低糖質低カロリーのブロッコリーやぶなしめじもプラスして、食感を楽しみましょう。
食事管理をする場合、一食で満腹になるほどの量は食べないので小腹が空くときがあると思います。そんな時の間食におすすめな食材やメニューもご紹介します。
カロリーのコントロールができていることが前提ですが、適切な食事を選択すれば満足感を得られるだけでなく栄養バランスも保つことができます。
アーモンドやクルミはオメガ脂肪酸などの良質な脂質を含みます。ただしカロリーが高いので食べる量は一掴みほどにしましょう。
プロテインバーは最近はコンビニでも買えて、手軽にタンパク質の補給ができます。タンパク質が足りてない日に食べるようにしましょう。
どうしてもチョコレートが食べたいときは、ミルクチョコは避けてカカオ比率の高いものを選びましょう。目安としては、パッケージにカカオ70%などと書いてあるものがおすすめです。カカオ比率が高いと抗酸化作用が高くカロリーも低いのでおすすめです。
どうしてもお腹が減ってストレスがたまりそうな時は「しらたきスープ」がおすすめです。
鍋にスープの素(わかめスープやコンソメスープ、キムチスープなどなんでもOK!)を入れて沸騰させた中にしらたきを入れれば完成!しらたきは1パック(200g)まるまる使ってもカロリーはたったの14kcalです!こんなに低カロリーにも関わらず、しらたきの主成分であるグルコマンナンは、お腹の中で膨らむ性質があるため満腹感を得ることができるのです。さらにスープと一緒に食べることでよりお腹が満たされます。ぜひ試してみてくださいね。
最後にタンパク質の種類とタンパク質が多く摂れる食品についても解説します。
動物性タンパク質は、動物から得られる食品に豊富に含まれています。これらの食品は、多くの必須アミノ酸を含んでおり、ほとんどの食品のアミノ酸スコアは満点の100となっています。
代表的な動物性タンパク質の食品をいくつか紹介します。
肉類 | 鶏肉、牛肉、豚肉など肉には高品質なタンパク質が含まれています。肉類はビタミンやミネラルも豊富に含むため優秀なタンパク質源です。鶏胸肉や赤身など脂質が少ないものを選ぶようにしましょう。 |
魚介類 | サーモン、マグロ、さば、いかなどの魚介類にもタンパク質が豊富に含まれています。さらに、オメガ-3脂肪酸やビタミンDなどの栄養素も含まれており、血管の健康にも良い影響を与えます。 |
卵 | 卵白は吸収が早く高品質なタンパク質源となります。卵黄には脂質やビタミン、ミネラルが含まれており、非常に優秀な食品です。 |
乳製品 | 牛乳やヨーグルトもタンパク質が豊富です。ホエイプロテインの原材料でもあります。ただし牛乳を飲むとお腹をこわしてしまう人は無理に飲まない方がよいでしょう。 |
植物性タンパク質は植物由来のタンパク質です。
これらの食品は食物繊維や抗酸化物質を豊富に含みますが、動物性タンパク質と比較すると含まれるアミノ酸が少ないものもあり、アミノ酸スコアが100なのは大豆くらいです。
代表的な植物性タンパク質の食品をいくつか紹介します。
豆類 | 大豆、豆腐、納豆、豆乳などは、タンパク質を豊富に含む植物性食品です。大豆製品には必須アミノ酸の一つであるリジンが含まれており、動物性タンパク質に近い栄養価を持っています。 |
穀物 | 穀物類も一部にタンパク質を含みます。特に全粒穀物は食物繊維とともにタンパク質が摂れて、エネルギー源としても重要です。 |
ナッツ類 | アーモンド、クルミなどは、タンパク質だけでなく健康に良い脂質やミネラルを含みます。ただし、タンパク質量は少なく脂質が多いため食べ過ぎないようにしましょう。 |
食事を選ぶ際には、カロリー収支とそのカロリーを構成する栄養素も大切です。前述のとおり、カロリーはタンパク質・脂質・炭水化物の三大栄養素で構成されています。
パーソナルトレーナーが利用者に食事指導を行う際は基本的に「高タンパク低脂質」な食事メニューをおすすめしています。筋肉の材料になるタンパク質が多く、カロリーの高い脂質が少ない食事を継続することがパーソナルトレーニングの効果を最大化してくれるからです。
PFCバランスとは、三大栄養素の構成比をタンパク質(Protein)・脂質(Fat)・炭水化物(Carbohydrates)の頭文字をとったものです。
筋トレ効果を引き上げるためのPFCバランスは「4:1:5」または「3:1:6」が理想的と言われています。タンパク質3〜4割、脂質1割、炭水化物5〜6割です。
最も重要なタンパク質を多めで脂質は少なめ、エネルギー源である炭水化物でカロリーを調整するのがポイントです。
動物性タンパク質と植物性タンパク質のそれぞれの特徴を理解し、一部の食品だけからタンパク質を摂取しつづけるのではなくバランスよく摂取しましょう。
動物性タンパク質は高品質なタンパク質源ですが、同時に脂肪やコレステロールも含まれることがあります。一方で植物性タンパク質は食物繊維などは豊富ですが、一部の必須アミノ酸が少ない場合があります。
動物性タンパク質も植物性タンパク質もバランスよくタンパク質を摂ることを心がけましょう。
今回は、タンパク質やアミノ酸についてや、筋トレ効果を伸ばすための食事メニューについて解説しました。パーソナルトレーニングでより大きな効果を出したいなら食事管理が重要です。
運動は週に2〜3回ですが、食事は1日3食とすると週に21回です。そのため、カラダづくりは「運動1割食事9割」と言われることもあります。
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