パーソナルトレーナーに資格は必要?取得メリットや種類をご紹介

公開日:2022/12/22 更新日:2023/01/27

  • 趣味の筋トレを活かしてパーソナルトレーナーになってみたいな。
  • パーソナルトレーナーになるには資格が必要なのかな。
  • パーソナルトレーナーとして資格を取得するメリットを知りたい。

といった疑問や悩みはありませんか。

ダイエット目的で始めた筋トレがいつしか習慣になり、自分の減量の成功体験を持ち味に、未経験からパーソナルトレーナーを目指す人が増えているのをご存じでしょうか。
本記事の読者の中には、趣味で続けている筋トレを活かしてパーソナルトレーナーを仕事にできないか興味をお持ちの方もいらっしゃると思います。
そこで本記事では「パーソナルトレーナーになるには資格が必要なのか?資格にはどのような種類があり、取得するメリットがあるのか」を解説します。

この記事を読めば「本物のパーソナルトレーナーになるために必要なこと」がわかります。

パーソナルトレーナーに資格は必要?

結論から言うと、現在の日本においてパーソナルトレーナーとして働くために必須となる国家資格はありません。ただし、必須な国家資格はないですが、パーソナルトレーナーとして活躍するのに役立つ下記の資格が存在します。

  • NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー)
  • NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)
  • CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
  • NATA-ATC(全米アスレティックトレーナー協会認定アスレティックトレーナー)
  • JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者資格)

資格がなくてもパーソナルトレーナーになれますが、資格を取得しておいた方がお客様から信頼を得やすいでしょう。

では、これらの資格にどのような特徴があるのでしょうか?資格取得のメリットを含めて次の章から解説していきます。

パーソナルトレーナーが資格を取得する3つのメリット

まず、パーソナルトレーナーが資格を取得することで、下記の「3つのメリット」が得られます。

  • メリット① 知識(リテラシー)の向上
  • メリット② 自己ブランディング
  • メリット③ キャリアアップ

一つずつ解説していきますね。

メリット① 知識(リテラシー)の向上

資格を取得していることでパーソナルトレーナーとして「正しい知識がある証明」になります。
パーソナルトレーナーとして活躍するためには、下記のような知識を身につける必要があります。

  • 機能解剖学
  • 運動生理学
  • トレーニング学

このような知識がないと、お客様に適切なトレーニングを指導できない恐れがあります。

お客様から信頼を得て、安心してトレーニングしてもらうためには、パーソナルトレーナーとしての知識の取得が必要不可欠です。

メリット② セルフブランディング

パーソナルトレーナーとして働く形態は、大きくわけて下記の2パターンがあります。

  • 被雇用者として会社に所属する
  • フリーランスとして働く

どちらの形態で働いても、パーソナルトレーナーとしては「お客様に選んでもらう立場」になります。
セルフブランディングとは、知識・経験・実績といった定量的な価値や、コミュニケーション力・指導力といった、定性的な見えない価値を第3者に評価してもらうことです。
もしあなたがトレーナーに指導を受ける立場の場合、高いお金を払って知識や実績のないパーソナルトレーナーを選ぶでしょうか?
お客様が、パーソナルトレーナーを選ぶ基準としてまず求めるのは、定量的価値であることが一般的です。誰でも始めた時は未経験です。そのため資格を取得しておくと、あなたのセルフブランディングとなり、強い味方になります。

メリット③ キャリアアップ

資格があるほうがパーソナルトレーナーとしてキャリアアップしやすくなります。
無資格のパーソナルトレーナーと比べると下記のように働くのが有利になりますよ。

  • 企業に勤める場合、資格保持者のほうが雇われやすい(企業によっては資格保持者を優遇する)
  • 資格手当がある企業では収入が増える
  • 資格によってはセルフブランディングしやすく、単価アップにつながる可能性がある。

資格があるとパーソナルトレーナーとしてキャリアアップできて、稼ぎやすくなるでしょう。

パーソナルトレーナーにおすすめな資格の種類

パーソナルトレーナーにおすすめな資格の種類は下記のとおりです。

  • NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー)
  • NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)
  • CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
  • JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者資格)
  • NATA-ATC(全米アスレティックトレーナー協会認定アスレティックトレーナー)

一つずつ解説しますね。

NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー)

特徴アメリカに本拠地があるパーソナルフィットネストレーナーの資格認定団体
創立1992年
会員数約7万人
パーソナルトレーナーの知識フィットネス、ウェルネル
ビジネススキル広報活動、管理業務、接客マナー
受験要件・NESTA JAPANからPFTテキストを購入
・CPR/AEDの技能を習得&保持
・日本での就労可能な方
・満18歳以上で高卒以上の資格、またはNESTAが認定する教育カリキュラムの受講者 or 運動指導した実務経験が1年以上など

NESTAの資格取得メリットは、パーソナルトレーナーとして活躍するための集客や経営に関する知識を身につけられることです。

指導するスキルがあってもクライアントを見つけたり、開業するにしても管理やマーケティングができないと仕事が見つかりにくいです。

しかし、実務経験が必要なため、未経験からの資格取得はできません。トレーナーとして経験を積むか、NESTAの教育カリキュラムを受けましょう。

また、NESTAには20を超える上級資格として下記のようなスペシャリスト資格があります。

  • ボディメイキングスペシャリスト
  • キッズハイパフォーマンススペシャリスト
  • シニアフィットネストレーナー

ターゲットを絞ることで強みが発揮されます。あなたの得意や方向性もかんがみてスペシャリスト資格を取得するのもよいでしょう。

NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)

特徴アメリカに本拠地があるストレングストレーニングとコンディショニングに関する教育団体
創立1978年
会員数約5万人
パーソナルトレーナーの知識ストレングス・コンディショニング
ビジネススキル
受験要件・NSCAジャパン会員
・満18歳以上で高卒以上の資格あり
・CPR/AEDの技能を習得&保持

NSCA-CPT(NSCA Certified Personal Trainer)の資格取得メリットは取りやすさです。
実務経験がなくても資格試験を受けることができます。しかし、未経験者からでも挑戦しやすい分、資格取得者が多く差別化しにくいです。差別化を測るならCSCS(詳しくは後述しております)やNSCAジャパンコーチコースを受けて指導力を高めるとよいでしょう。

CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)

特徴アメリカに本拠地があるストレングストレーニングとコンディショニングに関する教育団体
創立1978年
会員数約5万名
パーソナルトレーナーの知識傷害予防・スポーツパフォーマンス
ビジネススキル
資格受験要件・NSCAジャパン会員
・大卒以上の資格
・CPR/AEDの技能を習得&保持

CSCSとは、Certified Strength and Conditioning Specialist(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)は、NSCA-CPTと同じく、NSCAが認定する資格です。傷害予防とスポーツパフォーマンス向上を目的としています。
資格取得メリットは指導できるクライアントの幅が広がることです。
アスリートを指導する方向けの資格ですので、資格を保持することで、一般の方を指導するのがメインのNSCA-CPTの取得者と差別化できるでしょう。

JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者資格)

特徴日本に本拠地がある競技スポーツとフィットネスの分野に関するトレーニング指導者の団体
創立2006年
会員数約3,000名
パーソナルトレーナーの知識一般科目(機能解剖や運動生理学など)、専門科目(各種トレーニングの法の理論など)
ビジネススキル
資格受験要件・JATIの会員であること
・講習会への参加と課題の実施

日本トレーニング指導者協会(JATI)は、日本のパーソナルトレーナーの資格を取りたい方におすすめです。
資格取得メリットは日本の環境にあったトレーニング理論や知識を学べることです。
多くのパーソナルトレーナーの資格はアメリカのトレーニング理論をベースにしており、日本人向けではありません。取得するとNSCAやNESTAと違った強みを出せるでしょう。

JATIの認定資格には下記のランクがあります。

資格名称ランク位置付け
JATI-ATIトレーニング指導者一般の方が対象とした指導ができる
JATI-AATI上級トレーニング指導者ハイレベルなアスリートを対象とした指導ができる
JATI-SATI特別上級トレーニング指導者国際レベルのトップアスリートを対象とした指導ができる

順を追って上位資格を取得すると、ライバルよりもクライアントの獲得がしやすくなるでしょう。

NATA-ATC(全米アスレティックトレーナー協会認定アスレティックトレーナー)

特徴アメリカに本拠地があるアスレティックトレーナーの認知度向上を進める団体・アメリカの国家資格
創立1950年
会員数約43,000名
パーソナルトレーナーの知識アスレチックトレーニング教育
ビジネススキル
受験要件・アメリカの大学に留学して、学士号や修士号を取得
・750時間前後の実習経験を積む
・大学もしくは大学院を卒業後、BOC certification exam(認定試験)に合格

全米アスレティックトレーナーズ協会(National Athletic Trainers’ Association, NATA)は、世界でも最高レベルのトレーナー資格と言われています。
資格取得メリットはアメリカの国家資格を取得できることです。
取得すれば他のパーソナルトレーナー関連の資格よりもアピールできるはずです。しかし、アメリカの国家資格なだけあり、資格取得の難易度が高いです。
アメリカの大学に留学が必要となるので、時間や費用をかけられる人でないとNATAの資格取得は厳しいでしょう。

国家資格「フィットネスクラブマネジメント技能士(FCM)」って何?

日本の健康産業の発展を担う人材排出を目的として、2019年に認定された新しい国家資格「フィットネスクラブマネジメント技能士(FCM)」ができました。日本では珍しいフィットネス関連の国家資格です。

特徴日本生まれのフィットネスクラブ運営や指導に関する資格。国家資格を得ることができる。
創立2019年
会員数約3,000名(2018年〜2020年までの試験合格書の合計)
パーソナルトレーナーの知識健康づくり、運動トレーニングの基礎
ビジネススキルフィットネス産業概論、運営業務など
受験要件1級:6年以上の実務経験、2級に合格
2級:3年以上の実務経験、3級に合格
3級:16歳以上

フィットネスクラブマネジメント技能士を取得するメリット

資格取得メリットは、日本の国家資格を目指せることです。

  • トレーニングの基礎
  • フィットネスに関する幅広い知識
  • マネジメントについても学べる

といった、自身のキャリアアップにつながります。

デメリットとしては認知度が低い(2022年現在)ことです。NESTAやNSCAなどと比較すると見劣りします。今後、国家資格として認知度が上がっていけば資格を取得した強みを活かせるでしょう。

フィットネスクラブマネジメント技能士のランク

フィットネスクラブマネジメント技能士には下記のランクがあります。

ランク位置付け
1級経営面からクラブ全体をマネジメントできる
2級店舗運営ができるレベル
3級フィットネスクラブで働く基礎力

パーソナルトレーナーとしてのスキルと知識を身につけるなら3級を取得して、実務経験を身につけるとよいでしょう。また、今後キャリアアップや独立を考えるなら、2級や1級の資格取得を目指すとよいでしょう。

パーソナルトレーナーの資格の難易度と取得費用を比較

パーソナルトレーナーの資格の難易度や取得費用の比較表をまとめました。

資格名NESTA-PFTNSCA-CPTNSCA-CSCSJATI-ATINATA-ATCFCM3級 
難易度★★☆★☆☆★★☆★★☆★★★★☆☆
概算の取得費用79,500円〜46,000円50,200円162,580円〜500万円〜(留学費用や生活費など)10,000円
年会費13,200円13,200円13,200円11,000円15,000円〜1,100円
有効期限4年3年3年5年2年なし
更新費用22,000円3,300円〜(取得時期によって異なる)3,300円〜(取得時期によって異なる)11,000円15,000円〜0円
一言実務経験をつけた上でパーソナルトレーナーの資格とビジネススキルを身につけたい方未経験で一般人を相手としたパーソナルトレーニングの資格を取得したい方未経験でアスリートを相手としたパーソナルトレーニングの資格を取得したい方日本人向けのパーソナルトレーナーの資格を取りたい方お金と時間をかけて、アメリカでアスレティックトレーナーとして活躍を考える方コストを抑えてフィットネス関連の国家資格を得たい方

「未経験者からパーソナルトレーナーになるために資格を取得するならどれがいいのかな?」

と思われる方は「NSCA-CPT」や「FCM」に挑戦するとよいでしょう。未経験からトレーナーとして必要な知識とスキルを取得できます。
しかし、資格を取得するなら知っておくべき注意点があるので、次の章で紹介しますね。

有効期限と更新費用の確認も忘れずに

パーソナルトレーナーの資格によっては有効期限があるので更新が必要です。更新に必要な手続きや費用を払い忘れると、資格を失う恐れがあります。
資格を取得する際は継続してかかる費用や手続きを考慮しましょう。

費用対効果を考えて取得する資格を選ぼう

資格を取得することで一定の知識がある証明になります。
しかし、トレーナーとしての経験も同じくらい重要なことはいうまでもありません。
資格を取得したからといって実技で指導ができないと、パーソナルトレーナーとしての活躍が難しいです。
資格を取るのは大事ですが、指導の経験がなくて心配なかたはスクールに通うのもよいでしょう。

本物のパーソナルトレーナーになるにはインプットとアウトプットのバランスが重要

パーソナルトレーナーに限った話ではありませんが、何事にもインプット(=知識)とアウトプット(=実務経験)のバランスが重要です。

一般的にインプットとアウトプットは「3:7」が黄金比と言われています。
要は、知識の習得以上に「実務経験」に時間をかける必要があるということです。
パーソナルトレーナーとして活躍するためインプットだけではなく、お客様に実技指導ができるようアウトプットしていきましょう。

まとめ【パーソナルトレーナーになるには資格も大事だが実務経験も重要】

本記事ではパーソナルトレーナーに資格が必要かを解説しました。

  • 資格がなくてもパーソナルトレーナーになれるが、資格があるほうがお客様から信頼を得やすい
  • 資格があるとパーソナルトレーナーとしてのセルフブランディングに役立つ
  • パーソナルトレーナーとして活躍するためにおすすめな資格は下記のとおり
    • NESTA-PFT(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会認定パーソナルフィットネストレーナー)
    • NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)
    • CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)
    • JATI-ATI(日本トレーニング指導者協会認定トレーニング指導者資格)
    • NATA-ATC(全米アスレティックトレーナー協会認定アスレティックトレーナー)
    • FCM(フィットネスクラブマネジメント技能士)
  • パーソナルトレーナーの資格には更新が必要な場合があるので注意が必要
  • 本当に活躍できるパーソナルトレーナーになるにはインプット(=知識)とアウトプット(=実務経験)のバランスが重要

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本記事がパーソナルトレーナーになるには資格が必要か悩んでいるかたの参考になれば幸いです。

執筆監修者
株式会社WORKOUT
代表取締役 Co-founder & CEO
1985年5月24日生まれ、東京都港区出身。
10代で吉本RandC(現 吉本ミュージック)にて業務委託のアーティスト兼クリエイターとして活動。
その後、20代前半でインターネットマーケティング会社を起業。以降、出版広告会社の代表も務め、30歳の時に東証1部上場企業へ事業譲渡。
事業譲渡後は、株式会社アカツキの新規事業開発室(LX事業部)にジョインし、エンターテイメントxテックを中心とした新規事業、各IPの立ち上げに携わる。
2018年に同社創業、代表取締役に就任。
創業から僅か5年でパーソナルジム「REAL WORKOUT」を国内外に100店舗展開している。
執筆トレーナー

トレーナー歴10年。美しい姿勢をつくりながらボディラインを改善していくことが得意です。セッションを受けていただくことで、スタイルが良くなるだけでなく肩こりや腰痛など身体の不調も同時に改善されていきます。バレーボール・バスケットボールなどアスリートのトレーナー経験も活かし、スポーツのパフォーマンスアップが目的の方も対応いたします。

■資格■
NSCA-CPT(NSCA認定パーソナルトレーナー)
NSCA−CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)

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